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最新画像技術の診断~DWIBS検査~

当院では全身MRI検査による最新の画像技術「DWIBS法」をがんの発見や転移の検索、治療効果判定に用いることで、患者に身体的、金銭的に負担の少ない検査を実現しています。

DWIBS検査とは?

DWIBS(ドゥイブス)検査は、MRIを使用して体の広い範囲にわたって、がんや転移を探す全身検査です。この検査方法は、日本人によって開発された検査方法です(文献1)。検査時間は、通常のMRI検査より少し長く、30~40分程度かかります。

DWIBS検査は高性能の機器でないと検査自体が不可能です。10年くらい前までは検査に1時間以上かかり、現実的な検査とは言えませんでした。MRI機器の進歩により、現在では30~40分程度まで検査時間が短縮しています。 2015年に骨転移診療ガイドラインで本法が推奨され(文献2)、2017年に欧州泌尿器学会から進行前立腺がんの転移検索として本法が推奨されました(文献3)。今後はわが国でも本法の導入が進んでいくと思われます。

全身を検査し、病変を光って抽出する検査としてはこれまではPET-CT検査のみでした。
PET-CT検査(通常は18-FDGを投与)ではブドウ糖代謝の亢進で病変を検出します。それに対してDWIBS検査では細胞密集度の亢進で病変を光って検出します。
逆に言えば、ブドウ糖代謝が亢進しないがんはPET-CT検査では検出されず、細胞密集度の弱いがんはDWIBS検査で検出しにくいということになります。

PET-CT検査では胃がん、大腸がん、肝がん、尿路系がん(腎がん、尿管がん、前立腺がん、膀胱がんなど)の診断には不向きです。
DWIBS検査が不向きなのは胃がんや大腸がんであり、尿路系がん(腎がん、尿管がん、前立腺がん、膀胱がんなど)の診断には適しています。DWIBS検査もPET-CT検査も小さい病変の検出能は低いです。
どちらの検査でもがん以外の病変(多くは炎症)が検出されることもあり、発見された病変すべてががんというわけではありません。検出された病変については、後日に精査が必要となります。

PET-CT検査とDWIBS検査を比べた場合に、どちらの検査が一方的に良いということはありません。どちらの検査にも利点と欠点があります。
PET-CTの最大の利点は、“先行者”として豊富なエビデンスを有し、各種診療ガイドラインに掲載され推奨されているということです。
しかし、同時期に両者が施行された症例を検討してみると両者の診断能はほぼ同程度です。他施設の医師からも(個人的経験には留まりますが)DWIBS検査とPET-CT検査の診断精度は同程度であるとの意見あるいは研究会報告があります。
私共は、注射なし、放射線被ばくなし、血糖コントロール不要、在院時間が短いなどの利点を重視しこのDWIBS検査をお勧めしています。
また、私共は日本磁気共鳴医学会のBody DWI研究会に参加し、研鑽を積んでおります。検査の精度管理もしっかり行っております。
私どもは保険診療として本法を行っております。がん患者様の弱みに付け込んで高額の自費診療を薦める悪質行為は行っておりません。

私どもの活動はMRI製造メーカーから、広報されています(資料はこちら)

文献1:Radiation Medicine 22;275-282,2004
文献2:骨転移診療ガイドライン
文献3:European Urology 71;82-91,2017

DWIBS検査とPET(PET-CT検査)との比較表

  DWIBS検査 PET-CT検査
診療ガイドライン 骨転移について掲載(推奨)されている
(近年実用化されたので、実施できない施設が大多数)
掲載(推奨)されている
放射線被ばく なし あり PETとCTで二重被ばく
注射 なし あり 注射してから1~2時間の安静
検査時間 30分~40分 30分~40分 遅延撮影すると更に長い
検査後は放射能が下がるまで待機30分程度
在院時間(受付~会計) 1.5時間程度 3時間程度
検査前食事制限 不要 必要 6時間
糖尿病患者 検査可 検査できない場合がある
診断精度 両者ほぼ同程度
腸管腸間膜病変は弱い 腸管病変は弱い
肺結節は弱い 肝がんは弱い
MRI禁忌患者では不可 生理的集積による診断(尿路系がん:腎がん、尿管がん、前立腺がん、膀胱がんなど)の障害
腫瘍体積 川崎幸病院では計算可 不明(他施設)
患者負担金(3割) 約8,000円 約28,000円
   

DWIBS検査注意事項

  • MRI禁忌の方不可
  • 検査自体は30~40分程
  1.5テスラ
心臓ペースメーカー・除細動器
MRI対応のものは撮影可
脳動脈瘤クリップ
人工内耳・人工中耳
内視鏡クリップ △※
MRI対応のものは撮影可
刺青・アートメイク
当日同意書を頂き撮影可
磁石式義歯
当日同意書を頂き撮影可
整形外科体内インプラント
心臓人工弁・胸骨ワイヤ
歯科用インプラント
ステント・血管内フィルタ
挿入後1ヶ月以上経過で撮影可

DWIBS画像

前立腺がんリンパ節転移症例
カラー表示・腫瘍体積測定可

DWIBS画像

tDV:10.2〔ml〕/腫瘍体積測定

※tDV:10.2〔ml〕は、この症例では原発巣と
リンパ節転移の腫瘍体積を合わせると
10.2mlであることを示します。

乳がん再発化学療法前

化学療法後(病変縮小)

DWIBS画像

※化学療法により腫瘍体積が29.8mlから6.3mlに減少
しています。ADC値が1から1.5に上昇しており、これ
は腫瘍活性が低下したことを示します。FDG-PETの
SUV値が低下したことに相当します。

膀胱がん術前(転移なし)

術後多発転移の出現

DWIBS画像

弓部大動脈置換術後の人工血管感染

DWIBS画像

右腎の急性腎盂腎炎

DWIBS画像