感染制御科

主な対象疾患
- 感染性心内膜炎
- 腎嚢胞感染
- 縦隔炎
- 腹膜透析腹膜炎
- 大動脈グラフト感染症
- 髄膜炎
- 感染性大動脈瘤
- 硬膜外膿瘍
- カテーテル関連血流感染症
- 脳膿瘍
- カテーテル関連尿路感染症
- 椎体炎
- 人工呼吸器関連肺炎
- 椎間板炎
- 院内肺炎
- シャント感染
- 誤嚥性肺炎
- ペースメーカーリード感染
- 膿胸
- ポケット感染
- 肺膿瘍
- 腸腰筋膿瘍
- 急性胆管炎
- 骨盤腹膜炎
- 肝膿瘍
- 術後腹腔内膿瘍
- 結石性腎盂腎炎
- 憩室炎
- 蜂窩織炎
- 市中肺炎
- 壊死性筋膜炎
- クロストリジウム・ディフィシル感染症など
感染制御科の特色
2016年10月より感染制御科が始動し、3年半経過いたしました。
当院は地域の中核病院として、救急医療体制の構築に力を入れるとともに、内科系、外科系診療科共に質の高い医療を供給するため、病院スタッフが一丸となって取り組んでおります。このような状況より、当院には肺炎や尿路感染症、感染性心内膜炎、髄膜炎、蜂窩織炎などの市中発症の感染症の他に、様々な治療を行う過程で不幸にも生じてしまった術後感染やカテーテル関連尿路感染、カテーテル関連血流感染、クロストリジウム・ディフィシル感染症などの治療が必要な患者さんが多数入院治療を受けております。
そのような状況の中で感染制御科は、適切な診断及び、抗菌薬の選択、変更、終了の見極めを行い、臨床の最前線で診療されている先生方と一緒に患者さんの診療にあたらせていただいております。当科の目標は、現場の先生方の負担を軽減し、耐性菌を減らし、不必要な抗菌薬の使用を抑える事です。具体的には、直接ご相談を受けた症例以外に、血液培養陽性例、耐性菌検出例、広域抗菌薬長期投与例(基本的に10日以上)の症例は、全例介入を行わせていただいております。
また、感染制御に関してもICNや薬剤部門、検査部門と連携を取りつつ、積極的に取り組んでおります。手洗い、マスクやガウンの着用、薬剤や消毒薬の取り扱い、ごみの捨て方などについて、患者さんのみではなく病院の各スタッフの安全を守るために、皆様にフィードバックをかけさせていただいております。
診療実績
2016年10月より感染症コンサルテーションによる感染症診療が開始されました。
2017年度は477件、2018年度は499件と介入件数は順調に伸びております。概算値ではありますが、感染制御科設立前後20か月の感染症による入院患者あたりの死亡率を算出したところ、30%死亡率が低下しております。また、カルバペネムの使用量が有意に減少し、それに伴い、カルバペネム耐性緑膿菌の有意な減少も認められております。
以下に昨年度の新規介入件数をお示しさせていただきます。新規介入は、602件でした。
診療科別介入症例数
2018年 | 2019年 | |
---|---|---|
外科 | 56 | 115 |
整形外科 | 31 | 7 |
脳神経外科 | 39 | 49 |
大動脈外科 | 120 | |
心臓外科 | 124 | 56 |
乳腺外科 | 3 | |
泌尿器 | 21 | 46 |
婦人科 | 2 | 9 |
消化器内科 | 78 | 83 |
循環器内科 | 40 | 52 |
腎臓内科 | 46 | 48 |
呼吸外科 | 4 | |
形成外科 | 1 | |
救急科 | 2 | |
さいわい鶴見病院 | 5 | |
合計 | 437 | 600 |
医師プロフィール

根本 隆章
感染制御科部長/臨床研修センター副センター長
専門分野・得意とする手技
- 市中感染症
- 院内感染症
- 外科感染症
- 診断学
略歴
- 2004年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業
- 2004年 聖マリアンナ医科大学付属大学病院 初期研修医
- 2006年 聖マリアンナ医科大学付属大学病院 総合診療内科
- 2010年 聖マリアンナ医科大学 内科学 助教
- 2015年 東京城東病院 総合内科
- 2016年 川崎幸病院
認定資格等
- 日本感染症学会専門医
- 日本内科学会認定医 総合内科専門医
- インフェクションコントロールドクター
- 日本感染症学会指導医
- 臨床研修協議会プログラム責任者養成講習会修了