肥大型心筋症の治療法「中隔心筋切除術」
肥大型心筋症とは?
心筋症は、「心筋そのものの異常により、心臓の機能異常をきたす病気」です。肥大型心筋症は、心肥大をおこす原因となる高血圧や弁膜症などの病気がないにもかかわらず、心筋の肥大(通常左心室、ときに右心室の肥大)がおこる病気です。
原因
- 遺伝的要因(家族内発症が多い)
- 心筋細胞の異常な肥大と配置
- 不明な原因による肥厚
症状
- 無症状のことも多い
- 息切れ
- 胸痛(特に運動時)
- 動悸
- 失神(特に運動中や興奮時)
- 突然死(まれだが注意が必要)

診断方法
肥大型心筋症の治療法
肥大型心筋症の治療の目的は、①生命予後の改善、②症状の軽減、③合併症の予防にあります。
肥大型心筋症では、症状や重症度に応じて治療法が選択されます。
閉塞性肥大型心筋症*に対しては、カテーテルを用いた経皮的中隔心筋焼灼術や分厚くなった心筋の外科的な切除(中隔心筋切除術)をおこなったり、ペースメーカー植込み等も考慮します。
*閉塞性肥大型心筋症・・・心臓の筋肉が病的に肥大してしまう肥大型心筋症のうち、心臓の出口を塞いでしまい体に血液を送ることを邪魔してしまうもの
(薬物療法)
- β遮断薬:
- 心拍数を抑え、症状を軽減
- Ca拮抗薬:
- 心筋の収縮を和らげる
- 抗不整脈薬:
- 不整脈の予防
- シベンゾリン、マバカムテン
- (閉塞性肥大型心筋症の場合)
- 経皮的中隔心筋焼灼術:
- カテーテルを使い、心筋の一部を壊死させて狭窄を緩和
(中隔心筋切除術、僧帽弁手術)
- 中隔心筋切除術:
- 左室流出路を狭めている心筋を切除し、血流を改善
- 植込み型除細動器:
- 致死性不整脈の予防
- ペースメーカー:
- 必要に応じて
治療法
中隔心筋切除術
「閉塞性肥大型心筋症」に対して行う外科手術です。薬物療法やカテーテル治療で効果が不十分な場合に、開胸手術で厚くなった心筋を切除する治療を行います。
入院から退院について
治療費
肥大型心筋症に対する治療は健康保険、高額医療制度が適応されます。費用は年齢や所得によって異なります。
肥大型心筋症に対する治療は高額医療制度が適応となりますので、ご入院前にあらかじめ申請していただき窓口で提示していただくと支払う額は自己負担限度額までで済みます。
高額入院費が予想される70歳未満の患者さまへ
医療費の自己負担分(一部負担金)が自己負担限度額以上になった場合に適応になります。保険者で手続きしていただくと、患者さまは保険診療分における自己負担限度額(食事代等はふくまれません)のみを病院にお支払いいただき、差額分については保険者が病院へ支払う形になります。
申請等の詳細につきましてはクリニック・病院の窓口でもご説明させていただきますので受付でお声がけください。(70歳以上の方は申請は不要です)
まずは、下記方法にてお問い合わせください。(初めて受診される場合は、事前にご予約が必要です)
※心臓外科コーディネーター直通
コーディネーターが対応いたします。
外来予約、ご不明点などお気軽にお電話またはお問い合わせフォームをご利用ください。専属のコーディネーターが対応いたします。