薬剤部

薬剤部理念

病院の基本理念に基づき、薬の専門家として安全安心な薬物治療を提供します。

基本方針

① 患者に寄り添い、薬剤の専門家として薬の適正使用及び医療安全を担っていきます。
② 高い知識と技能をもった、信頼される薬剤師の育成に努めます。
③ 医薬品の適正使用、後発品採用、指導算定により病院経営に貢献します。
④ 地域の薬剤師や医療スタッフと連携を図り、地域医療向上のための薬薬連携を推進します。

特色

薬剤部は、調剤室における調剤や疑義照会、がん化学療法レジメン管理や鑑査、抗がん剤・TPNのミキシング、医薬品情報の管理や手術室業務など、医薬品の適正使用と安全管理に貢献しています。 また、病棟においては患者さんやご家族への服薬指導、医師・看護師への医薬品情報提供、薬物血中濃度解析などの多岐にわたる業務を担っています。
そしてICTやNST等の高度化が進む医療チームの一員としても幅広く活動を行っています。

総括と展望

2019年3月より病棟薬剤業務実施加算の算定を開始し、薬剤管理指導件数は前年5996件/年から13089件/年と、前年比218%の大幅な増加となりました。 特に土日祝日に入院される方に薬剤師が当日持参薬の鑑別、初回面談を行うことは医師看護師の負担軽減だけではなく、入院された患者の安心感につながると考えています。
今後の展望としては、1)入院支援センターへの薬剤師の常駐 2)病棟薬剤実施加算2の算定 の大きく二つが挙げられます。入院支援センターでは常用薬やサプリメントの確認、中止薬指導を通じて入院に向けた服薬支援を行っていきたいと考えます。 また、当院のICU、ACU1、ACU2、CCU、SCU、HCU合計6病棟へ薬剤師を配置し、より良い医療の現場に薬剤師が必ずいる環境を作っていきたいと考えています。
業務においては安全・安心な薬物治療の提供のため、一人一人が業務の効率・改善を考え、薬剤部として病院経営に貢献できるよう積極的に関わっていきます。 また薬剤の専門家としての職能を十分に発揮し、チーム医療の一員として患者さんに寄り添った医療を提供できるよう、各自が自己研鑽を行い、新しい人材を適切に育てていく中で、薬剤部全体としてレベルアップしていけるよう今後も努力していきます。

業務内容

《病棟業務部門》

薬歴管理・処方提案

患者さんの持参薬を鑑別し、常用薬を把握したり、院内で使用しているお薬について薬歴管理(禁忌、相互作用、配合変化等の確認)を行っています。
また、実際に患者さんのベッドサイドに行き、薬効の評価や副作用の有無を確認し、患者さんの病状・検査結果をもとに医師へ処方提案をしています。

薬歴管理・処方提案
薬歴管理・処方提案

服薬指導

服薬指導

患者さんが安全にお薬を服薬できるように、お薬の服用の仕方や副作用の初期症状、対処方法を説明しています。また、退院時の指導では、患者さんの理解度に応じて自宅での薬剤管理方法をご家族と共に話し合い、患者さん一人ひとりに合った服薬指導を行っています。

持参薬鑑別業務

入院患者さんの持参された薬やお薬手帳は、薬剤部にて鑑別し内容を確認しています。それにより、手術に伴う中止薬や副作用歴を医師に情報提供することで、安全で円滑な薬物治療の推進に取り組んでいます。

《チーム医療部門》

がん化学療法部門

がん化学療法部門

薬剤部では患者さんに安全ながん化学療法を提供するために、内服及び注射抗がん剤のレジメン管理、注射抗がん剤の準備・調製、がん化学療法を受けられる患者さんへの指導を行っています。
レジメン管理に関しては、スケジュール、投与量、積算値などの管理を行い、ガイドライン改定に伴う支持薬の変更なども提案しています。
注射抗がん剤の調製に関しては、患者さんはもちろんのこと医療従事者の職業曝露を防ぐべく、十分な性能を備えた安全キャビネットと閉鎖式器具を用いています。
患者さんへの指導に関しては、初回治療や治療変更時に看護師、MSWと薬剤師が連携してご家族を交えて、スケジュール、副作用、日常生活の注意などの指導を行っています。 入院して治療を行っている患者さんには病棟担当薬剤師と連携して副作用の確認とその対応も行っています。

感染制御部門

当院薬剤部では、2名の薬剤師が感染制御チーム(ICT)、並びに2018年4月より発足した抗菌薬適正使用支援チーム(AST)のメンバーとして活躍しています。
感染担当薬剤師の主な仕事は以下のとおりです。

感染制御部門

①抗菌薬適正使用の推進
当院薬剤部では、抗MRSA薬(バンコマイシン・テイコプラニン)やアミノグリコシド系抗菌薬を使用されているすべての患者さんを対象に、 開始時から治療薬物モニタリング(TDM)を実施し、抗菌薬の適正使用に努めています。 TDM含めすべての薬剤師が適切な解析や処方提案ができるよう、感染担当薬剤師が指導を行っています。

②抗菌薬使用状況のモニタリング
当院では、すべての特定抗菌薬(抗MRSA薬、広域スペクトラム抗菌薬、抗真菌薬)の使用症例に対し、 届出制を導入しています。薬剤部では、感染担当薬剤師が毎日対象患者のモニタリングを行い、 ICT/ASTでの情報共有や担当医への処方提案を行っています。

③ICT/ASTでの活動、感染対策委員会での情報発信
週1回実施のASTカンファとICTカンファに参加し、各症例の検討から感染対策マニュアルの作成に至るまで、幅広く活躍しています。 また月1回実施の感染対策委員会にて、院内における各抗菌薬の使用動向調査(サーベイランス)結果を発表し、抗菌薬適正使用に貢献しています。

手術室部門

当院は326床の病院でありながら、大動脈外科をはじめとし、様々な診療科が年間5,000件以上の手術を行っています。 それに対応するため薬剤師1人、薬剤助手2人を手術室担当として業務を行っています。

主な業務

主な業務
  • 管理薬の使用確認(麻薬・向精神薬・毒薬・血液製剤など)
  • 手術室常備薬の定数管理
  • 医師、看護師からの問合せ対応

当院では、新人薬剤師は病棟担当となる前に手術室薬剤業務を経験します。手術の流れを理解することは病棟業務に有益であると考えているためです。
また、手術室では病棟での使用頻度が低い薬剤を多く使用するため、幅広い薬剤の知識を身につけることができます。

NST

入院患者さんの栄養状態改善のために、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、嚥下サポートチーム等と一緒に活動しています。
NSTでは、薬学の知識に基づき、患者の病態や栄養状態に合わせて栄養療法の提案・問題点の抽出、栄養薬剤の選択・適正使用法の指導、患者・家族への栄養剤の説明・服薬指導、薬剤と栄養剤(食品を含む)との相互作用の確認などの提案をしています。
また、病院職員を対象にした勉強会を開催し、医療者のレベルアップを図っています。

《調剤業務部門》

内服薬・外用薬の調剤業務

内服薬・外用薬の調剤業務

医師の処方内容は、薬剤部にて処方鑑査を行います。その後に調剤、鑑査といったダブルチェックをして患者さんのもとへ薬を払い出しています。 服薬コンプライアンスの向上や誤薬防止の観点から、薬剤分包機を用いた一包化調剤も対応しています。(全自動錠剤分包機、円盤式散剤分包機を導入しています)

注射薬の調剤業務

注射薬の調剤業務

処方された注射薬を安全で速やかに患者さんのもとへ払い出しするために、アンプルピッカーを用いて当日分と翌日分の調剤を行っています。当院の処方はTPN(中心静脈栄養)、抗菌薬、化学療法と多岐にわたるため、幅広い知識が身につけることができます。

DI業務

DI室では、薬に関する情報を収集・整理・管理し、医師や看護師など医療スタッフ、および患者さんに提供する仕事をしています。
その他に、院内医薬品集の整備・お薬通信の発行・薬剤部門システムのマスタメンテナンス等を行っています。

製剤・無菌調製

製剤・無菌調製

治療や診断に必要な薬剤で市販製品がないものについては、患者さんの状態に応じた院内製剤の調製を行っています。また、高カロリー輸液をクリーンベンチ内で無菌調製し、安全で清潔な無菌製剤を提供しています。

実績

2019年度実績

内服・外用剤調剤業務

外来処方箋枚数 / 3,956枚
入院処方箋枚数 / 95,652枚
患者持参薬再調剤 / 8,885件
途中中止・変更等再調剤 / 5,887件

注射剤調剤業務

入院注射処方箋枚数 / 109,578枚

持参薬

鑑別件数 / 8,211件

薬剤管理指導業務

薬剤管理指導料1(380点)/ 6,706件
薬剤管理指導料2(325点)/ 6,381件
退院時薬剤情報管理指導料(90点)/ 4,183件
麻薬指導加算(50点)/ 55件

無菌製剤業務

高カロリー輸液調製(40点)/ ,209件
抗悪性腫瘍剤調製(50点)/ 439件

その他

初期投与設計・TDM解析件数 / 380件

学会発表

  • 2019.5.11~5.12 第3回日本老年薬学会学術大会
    『服薬困難患者において、調剤方法が錠剤調剤から粉砕』
    発表者:昆 真生

スタッフ紹介

構成人数

  • 薬剤師:31名(科長1名、主任4名を含む)
    (うち育休中4名、非常勤2名、さいわい鶴見病院へ派遣1名、第二川崎幸クリニックへ派遣2名含む)
  • 事務員:1名(育休中のため総務部より派遣1名)
  • 薬剤助手:12名

部署構成

  • 調剤担当、注射調剤担当、医薬品情報管理、病棟担当、化学療法担当、感染管理担当
    ※当直業務薬剤師1名交代制にて実施

資格取得者

  • 日本病院薬剤師会 生涯研修履修認定薬剤師:2名
  • 日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師:3名
  • 日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師:1名
  • 日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師:5名
  • 日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師:3名
  • 日本栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士:3名
  • 日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師:1名
  • 日本服薬支援研究会 簡易懸濁法認定薬剤師:1名
  • 日本アンチ・ドーピング機構 公認スポーツファーマシスト:7名
  • ICLSプロバイダー:2名
  • FCCSプロバイダー:1名

科長紹介

薬剤部 科長 橋本 理恵子

橋本 理恵子

薬剤部 科長

略歴

  • 共立薬科大学(現:慶應義塾大学)卒業

専門資格

  • 薬剤師
  • 日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師
  • 日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師

当院ではスキルアップのための学会発表、専門資格取得を奨励しています。
薬剤部員が一丸となり、より一層努力していきたいと考えています。