放射線科
特色
365日、24時間の緊急検査に対応しています
昼夜を問わず、急に体調が悪くなり救急車などで来院される方に、常に画像診断ができる準備をしています。
特に急性期の脳卒中、心・大血管疾患や急性腹症など、CT装置やMRI装置、血管撮影装置の大型装置を使用し診断、治療が必須となる疾患について放射線科は高度な医療技術を駆使し早急な画像提供と最新の治療技術を、安全に提供できるよう努力しています。
高度医療機器を適宜更新し、最新技術を取り入れた画像診断を行います
高度な検査装置を導入、2017年3.0TMRI装置の更新、2018年血管撮影装置の更新、2019年256列CT装置の更新を行い診断能の向上を図っています。最新の装置を導入し新しい検査法や画質向上、被ばくの低減も可能になっています。また各モダリティーで認定資格を取得し技術、知識の向上に努め、質の向上も図っています。
放射線科の検査は、検査依頼から画像保存までネットワーク化し、電子カルテにていつでも素早く参照が可能になっています。
救急外来部門
救急センターへの救急搬送件数は、年間1万台を超えています。救急医療を支えるチームの一員として最適な画像を提供するため、24時間体制で対応しています。
救急の検査では、迅速に、正確かつ安全に検査することが重要です。
X線CT室、一般撮影室は、救急処置室と同じエリアにあり、扉1枚で撮影室に移動可能な配置がされています。スムーズな動線で検査までの時間が最小限に抑えられます。
脳梗塞のより良い予後のためには、1分1秒でも早い治療開始が求められます。
当院では、急性期脳梗塞に対する「脳卒中プロトコール」を作成して、スタッフの連携により、救急搬送依頼からX線CT検査、血管撮影室への移動、治療開始までの時間短縮が図られています。
X線CT装置
320列Area Detector CTの特長を活かした、頭部CTA 4D撮影では、2つのワークステーションを用いて、脳血管3D画像や短時間で精度の高い灌流画像(Perfusion)が提供でき、迅速な診断を可能としています。
また、大動脈疾患、肺塞栓、冠動脈疾患を目的に同時撮影する、トリプルルールアウト(TRO)検査は、大動脈外科、心臓外科、循環器内科から高い信頼を得ています。
Aquilion ONE/PRISM Edition(Canon)
Ziostation2 (ziosoft) Vitrea (Canon)
一般撮影装置
デジタル化されたFPD(フラットパネルディテクタ)装置の導入により、高精細かつ低線量で患者さんにやさしい検査を行うことができます。
DR CALNEO U/C(FUJIFILM Medical)
画像診断部門
X線CT装置
病棟検査のほか、脳血流を定量するキセノンCT、放射線治療計画CTや、CTガイド下によるIVRを行っています。また、冠動脈CTや大動脈造影CT、TAVIなどの心臓疾患領域における術前CTなど、専門性の高い症例にも対応しています。
当院のCT装置は、2台とも高性能装置であり、AIによる再構成によってノイズ低減効果と高い空間分解能を両立した画像を提供できるほか、Dual Energyを用いた造影剤低減などを可能としています。
2021年月平均件数
- 大動脈心臓術前CT:52件
- 冠動脈造影CT:28件
- 大動脈造影CT:62件
- 頭部4D CTA:30件
Revolution CT(GE)
MRI装置 2室
MRIは強力な磁場と電波を利用した検査です。X線による放射線被ばくがないので安心して検査を受けることができます。検査時間は検査内容により、約30~60分程度となります。
1.5T※と3.0Tの2台が稼働しており、1.5Tにおいては24時間365日、緊急の検査に対応しています。
また、入院患者さんのみではなく一般外来の検査も行っています
2021年には1.5Tで3670件、3.0Tでは2140件の検査を行いました。
- 全身のがん検索やがんの治療効果判定として有用とされる検査【DWIBS法】も対応しています。PET-CTと異なり放射線被ばくがありません。
- 認知症早期診断支援システム【VSRAD】による認知症診断も対応しています。
【 ※T(テスラ):磁束密度の単位】
次のような方は検査を受けられないことがありますので、スタッフにお申し出ください。
- MRIに対応していない心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方
- MRIに対応していない人工内耳の方
- ステント挿入術を2週間以内に受けた方
- MRIに対応していない脳動脈瘤クリップの入っている方
- その他、素材の分からない金属が体内に入っている方
- MRIに対応していない消化管クリップの入っている方
Signa Architect 3.0T (GE)
Ingenia 1.5T(PHILIPS)
CVI 42 (ENTORRES)
Ziostation2 (ziosoft)
一般撮影室
デジタル化されたFPD(フラットパネルディテクタ)装置の導入により、高精細かつ低線量で患者さんにやさしい検査を行うことができます。
DR CALNEO U/C(FUJIFILM Medical)
X線透視撮影室
従来の診療放射線技師が行う消化管造影検査に加えて、さまざまな検査治療を行っています。
消化器内科のERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、外科の経皮的ドレナージ、イレウス管挿入、泌尿器科の造影検査、呼吸器外科の透視下気管支鏡や言語聴覚士のVF(嚥下造影検査)など各部署にわたります。
診療放射線技師は、患者さんやスタッフの手配などをコントロールし、検査のスムーズな実施や放射線被ばく低減に配慮した検査に貢献しています。
テーブルトップは、完全固定化されているので、内視鏡手技や経皮的処置を行う場合にも、患者さんを動かすことなく、安全に手技を行うことができます。
CUREVISTA(日立)
主な検査の推移
2020年 | 2021年 | |
---|---|---|
ERCP | 398 | 400 |
イレウス管挿入造影 | 71 | 52 |
PTCD/PTGBD挿入造影 | 121 | 104 |
PICC挿入 | 124 | 95 |
泌尿器科 挿入造影 | 77 | 44 |
透視下上部内視鏡 | 61 | 59 |
透視下下部内視鏡 | 54 | 65 |
消化管造影医師施行 | 54 | 85 |
消化管造影技師施行 | 19 | 4 |
チューブ挿入交換造影 | 52 | 84 |
透視下気管支鏡 | 104 | 24 |
VF | 53 | 43 |
回診用X線撮影装置
救急外来、病棟、手術室に全6台稼働しています。
カセッテDRの採用により、高画質・低線量で撮影ができます。本体には大型ディスプレイが搭載されており、その場で画像確認が可能です。
周囲の患者さんや家族、スタッフへのX線被ばくに配慮するため、移動制限のある患者さんが検査対象となります。
また、患者さんに処置されている点滴などのチューブ類に注意しながら撮影します。
FUJIFILM
血管撮影室 3室
循環器内科2室、脳神経外科1室で運用し、緊急検査にも24時間体制で対応しています。
循環器内科では、虚血性心疾患に対するPCI(経皮的冠動脈形成術)やEVT(末梢血管カテーテル治療)また、不整脈の根治治療であるカテーテルアブレーション治療やペースメーカー治療が行われます。
脳神経外科では、主に脳梗塞、くも膜下出血などの脳卒中に対する血管内治療が行われます。
患者さんの状態に気を配りながら、診断・治療に最適な画像を提供しています。
INFX-8000V/JC(Canon)
Allura Xper FD10(PHILIPS)
Artis zee BA(SIEMENS)
手術室部門
ハイブリットオペ室 1室
オペ室に設置されている血管撮影装置で、血管内治療と開胸、開腹などの手技を同時に行うことができます。
主な使用用途は、大動脈外科による TEVAREVAR (血管内ステント治療)、循環器内科(ハートチーム)の TAVI (経カテーテル的大動脈弁置換術)、一般的なIVR(TACEや緊急塞栓術)などです。特に、EVARは日本有数の症例数があります。また、MitraClipTMを用いた僧帽弁クリップ術やWATCHMAN (左心室耳閉鎖術)など最新の治療法も実施しています。
私たち診療放射線技師は、カンファレンスへの参加、血管撮影装置のアーム操作、治療をサポートする画像提供などを行い、医師、看護師、臨床工学技士と共にチームとして治療に参加しています。
Allura Xper FD20C Hybrid-OR(PHILIPS)
外科用X線撮影装置
手術室に3台配置しています。
手術中の透視撮影は、術者の被ばくに配慮しながら、手術の進行に適合した画像を提供できるよう心掛けています。
脳神経外科による脊椎手術、泌尿器科による尿管ステント挿入やf-TUL(経尿道的尿管砕石術)、腎臓内科の透析シャントPTA、など様々な手術で使用しています。
2021年の装置使用手術件数は646件でした。
SIEMENS社製
GE社製
SHIMADZU社製
スタッフ紹介
構成人数(2023年5月現在)
- 診療放射線技師:41名(男:31名、女:10名)
- 科長:1名/副科長:2名/主任:2名/副主任:6名
施設認定
- 被曝線量低減推進施設
認定資格者(2023年5月現在)
- 上級磁気共鳴専門技術者:1名
- 磁気共鳴専門技術者:1名
- 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師:3名
- Ⅹ線CT認定技師:6名
- 救急撮影認定技師:3名
- 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師:2名
- 放射線治療専門放射線技師:1名
- 医学物理士:1名
- 第1種放射線取扱主任者:1名
- 第2種放射線取扱主任者:1名
- 第1種衛生管理者:1名
- 画像等手術支援認定診療放射線技師:2名
- 医療画像情報精度管理士:2名
- 放射線管理士:2名
- 医療環境管理士:1名
- 骨粗鬆症マネージャー:1名
- JPTECプロバイダー:1名
- AHA BLSインストラクター:1名
- AHA BLSプロバイダー:6名
- ICLSプロバイダー:8名
- 心電図検定3級:2名
- 心電図検定4級:1名
- 心理カウンセリング1級・コーチング1級:1名
所属学会
- 日本診療放射線技師会
- 日本放射線技術学会
- 日本磁気共鳴医学会
- 日本放射線腫瘍学会
- 日本医学物理士学会
- 日本IVR学会
- 日本骨粗鬆症学会
- 日本脳神経超音波学会
- オートプシーイメージング(Ai)学会
出身学校
科長紹介
袴田 文義
放射線科 科長
略歴
- 1994年 東京都立医療技術短期大学 卒業
- 1994年 川崎幸病院 入職
認定資格
- 1994年 診療放射線技師免許
中 孝文
放射線科 副科長/川崎地区MRI技術指導者
略歴
- 1998年 金沢大学医療技術短期大学部 卒業
- 1998年 川崎幸病院 入職
認定資格など
- 1998年 診療放射線技師免許
- 2013年 上級磁気共鳴専門技術者
富山 岳明
放射線科 副科長
略歴
- 1996年 城西放射線技術専門学校 卒業
- 2005年 川崎幸病院 入職
認定資格など
- 1996年 診療放射線技師免許
仙田 学
放射線科 主任
略歴
- 2007年 昭和大学付属診療放射線専門学校 卒業
- 2007年 新緑脳神経外科横浜サイバーナイフセンター 入職
- 2012年 川崎幸病院 異動
認定資格など
- 2007年 診療放射線技師免許
- 2011年 第一種放射線取扱主任者
- 2013年 日本放射線治療専門放射線技師
- 2016年 医学物理士
斎藤 桂
放射線科 主任
略歴
- 2002年 駒澤大学短期大学 卒業
- 2002年 川崎幸病院 入職
認定資格など
- 2001年 診療放射線技師免許
- 2008年 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
石田 和史
川崎地区CT技術指導者
略歴
- 2004年 東洋公衆衛生学院 卒業
- 2016年 鈴鹿医療科学大学大学院 修了
- 2004年 川崎幸病院 入職
認定資格など
- 2004年 診療放射線技師免許
- 2003年 第2種放射線取扱主任者
- 2012年 X線CT認定技師
- 2016年 医療情報精度管理士
教育について
教育体制
入職後、各モダリティに継続して1~3ヶ月集中して教育します。教育チェックシートを利用しているので担当者が変わっても漏れなく教育することができます。一般撮影や上部消化管造影検査、マンモグラフィなどは他施設での研修も行っています。
およそ1年で、夜勤業務に就きます。その後は、再び各モダリティを担当し、より専門的な知識の習得を目指していきます。認定技師などの資格取得も目標の一つとなっています。