外科
主な対象疾患
悪性腫瘍等
食道がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆のうがん、乳がん、肺がん など
良性疾患
消化管良性腫瘍、痔疾患、胆嚢結石、鼠経ヘルニア、腹壁ヘルニア、高度肥満、気胸、肺嚢胞、縦隔腫瘍 など
急性疾患
急性腹症、胃十二指腸潰瘍穿孔、大腸穿孔、腸閉塞、虚血性腸炎、大腸憩室炎、急性胆嚢炎、ヘルニア嵌頓、気胸 など
外科の特色
- 消化器腫瘍外科(食道癌、胃癌、大腸癌、肝・胆・膵癌)や乳がんといった悪性腫瘍関連領域においてはあくまでも患者様の選択(セルフディシジョン)を尊重し、癌治療ガイドラインに沿った最新かつ標準的治療を心がけ、各専門医とともに高度専門医療を提供いたします。
- 内視鏡外科は、お腹を大きく切らず、小さな創から鏡視下で行う手術であり、低侵襲で整容性に優れており積極的に導入しております。胆石や虫垂炎、鼠経ヘルニアなどはほとんどを鏡視下で手術を行っており、日本内視鏡外科学会・技術認定医6人を擁し、高度な技術を要する悪性疾患についても鏡視下手術で行っております。また創の数を少なくしたReduced Port Surgery、単孔式腹腔鏡手術も採用しております。
- 腹部救急外科については本院常勤の救急医と綿密な連携を取りながら急性期疾患を適切かつ迅速な対応を行っております。この分野における虫垂炎、急性胆嚢炎以外にも潰瘍穿孔、イレウス等に対して鏡視下手術を採用し低侵襲手術を実践しております。
- 乳腺外科では、外科スタッフに乳腺専門医がおり、マンモグラフィー読影認定医を4名擁しています。 乳腺については、健診から乳がん診療ガイドラインに沿った診断と治療(手術、放射線療法、化学療法を含む薬物療法のすべて)を、 川崎幸病院と第二川崎幸クリニックが一体となって行っていきます。
- 呼吸器外科は2人の専門医が中心となり体制を整え、胸腔鏡も併用し癌治療を行うなどさらに充実した診療を行っております。
- 短期滞在手術(日帰り・短期入院)を導入し胆石症、気胸、乳腺生検、鼠径ヘルニア、内痔核、CVポート留置術などに対して行っております。これらに対しては土曜日手術も行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
- 肛門疾患においては、痔核、痔瘻、裂肛に対して従来の手術方法に加えて、2007年より内痔核に対する内痔核硬化療法剤(ALTA)による四段階注射法によって切らずに治す治療も導入し開始しております。
- 化学療法(抗がん剤治療)に関しても当院の化学療法委員会が中心となって作成した院内登録制に基づく癌化学療法を、第二川崎幸クリニックの化学療法外来と連携し安全かつ円滑に行っております。また、種々の大規模臨床試験にも積極的に参加し我が国における抗がん剤療法標準治療の確立の一助となるよう活動しております。
- 診療面全般では疾患別の治療プロトコル(胃癌、大腸癌治療プロトコル)を作成し、標準化したわかりやすい医療の提供を行っており、また、クリニカルパスを導入し、医療者間における業務遂行の円滑化、標準化を図り、さらには患者さんにもわかりやすい医療の質の向上にも努めております。
- チーム医療の実践の一環としては毎朝看護部とのミーティングを行いながら常に患者さんの立場にたったわかりやすい医療の展開を行っており、リハビリ、栄養科をはじめとした関連部門とのミーティングを通し常に患者さまが中心となった医療の実践を行っております。
- 院内緩和ケアチームを2008年6月より発足。消化器外科を中心としたがん患者さんの疼痛緩和、メンタル面でのケアなど全人的なケアを目指し医師のみならず看護部、薬剤部、心理療法士、リハビリ室、栄養科、医療事務などの種々の職種のスタッフ一丸となりがん患者さんに対するトータルケアの実践も行っております。
- 地域のがん診療の拠点として、手術療法、化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療を行い、外来部門である第二川崎幸クリニックや地域の医療機関と連携をして、外来や入院、診断から治療、ケアとシームレスな医療を提供いたします。
- 病的肥満症に対する専門外来として減量外科を開設しました。条件を満たす患者様に対し、保険診療による腹腔鏡下スリーブ状胃切除術または腹腔鏡下スリーブバイパス術を検討致します。
- 内服治療で効果が得られない逆流性食道炎の患者様に対し、手術による治療を目的とした専門外来として逆流性食道炎外科を開設しました。重症の患者様が対象となりますので、各種検査を行い、慎重に手術適応を判断させて頂きます。
また2024年6月より「24時間食道pHモニタリング検査」が可能になりました。逆流性食道炎に対する手術適応を決定するうえで非常に重要な検査であり、2泊3日の入院で行います。ご希望の方は逆流性食道炎外科外来でご相談ください。
鼠経ヘルニア
- 鼠径ヘルニアとは
鼠径ヘルニア(脱腸)とは、足の付け根の辺り(鼠径部)が弱くなり、お腹の中の臓器が体の表面へ押し出されてしまった状態です。自然治癒することは無く、痛みや違和感を伴う場合は、積極的に手術を受けた方が良い病気です。患者さんの約9割が男性で、50歳代以上の方に多いと言われています。
- 当院で行っている鼠径ヘルニア手術
当院で主に行っている鼠径ヘルニアに対する術式は、リヒテンシュタイン法(Lichtenstein)と腹腔鏡下ヘルニア修復術です。この2つの術式は、2018年に発表された鼠径ヘルニアの国際ガイドラインで強く推奨されている世界標準の術式です。当院では、リヒテンシュタイン法(Lichtenstein)、腹腔鏡下ヘルニア修復術を全身麻酔による1泊2日の入院で行っております。なお、リヒテンシュタイン法(Lichtenstein)に関しては、日帰りも可能です。どちらの手術を行うかは、ヘルニアの病態や、患者様のご希望を踏まえたうえで決定します。
リヒテンシュタイン法(Lichtenstein)
鼠径部を約5cm切開し、メッシュと呼ばれる人工物を留置します。全身麻酔の場合は1泊2日の入院が必要ですが、局所麻酔であれば日帰りも可能です。
腹腔鏡下ヘルニア修復術
腹部に3箇所の小さな切開をおき、メッシュを留置します。手術直後の痛みが少ないので、社会復帰が早いのが特徴です。全身麻酔が必要なため、原則として1泊2日の入院が必要です。
- 手術を受けるには?
日帰りの手術(リヒテンシュタイン法)は、水曜日の午前中に第二川崎幸クリニックで行っています。1泊2日の手術(リヒテンシュタイン法、腹腔鏡下ヘルニア修復術)は川崎幸病院で月曜日~土曜日、祝祭日に受けることが可能です。
- 外来の予約
鼠径ヘルニアの外来は第二川崎幸クリニックで行っております。外来予約はこちらから可能です。
胆石症・胆嚢炎
- 胆石症、胆嚢炎とは
胆石は、胆汁に含まれる成分が結晶化し、固まったものです。胆石症とは胆嚢や胆管などの「胆道」に胆石ができることで様々な症状を生じる病態のことです。胆嚢炎とは肝臓で作られた胆汁が貯まる袋「胆嚢」に炎症が生じた病態のことです。
- 胆石症、胆嚢炎の治療法(※土曜日も手術を実施)
胆石症の治療法
<内科的治療>
- 胆石溶解療法…胆石を溶かす薬を服用
- 内視鏡的胆管結石除去術…内視鏡を使って胆石を取る
<外科的治療>
- 胆嚢摘出術…現在は腹腔鏡を使った「腹腔鏡手術」が主流です。
胆嚢炎の治療法
胆嚢を切除する「胆嚢摘出術」が標準治療ですが、全身状態により、経皮的肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)や内視鏡的逆行性胆嚢ドレナージ(ERGBD)などの非手術治療が選択される場合もあります。ごく初期であれば抗生剤のみで軽快することもあります。
難度の高い胆嚢炎症例についても、積極的に腹腔鏡手術を行っています。
高齢や併存疾患などで手術が難しい場合、消化器内科と連携してERGBD(内視鏡的逆行性胆嚢ドレナージ)、PTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ)などの内視鏡治療、非手術治療も行っています。 - 胆嚢摘出後の日常生活は?
胆嚢は一時的に胆汁を貯めておくリザーバーのような働きをしています。胆嚢がなくなっても胆汁は肝臓から胆管を通って直接腸に流れるため消化吸収には問題ありません。
ただし、摘出後、特に脂肪の多い食事を摂った後など排便回数の増加や軟便や下痢となることがありますが徐々に改善していく場合がほとんどです。 - 外来の予約
胆石症、胆嚢炎などでお悩みの方は第二川崎幸クリニック「肝胆膵外来」へお越しください。外来予約はこちらから可能です。
診療実績
川崎幸病院外科は現在20名体制(日本外科学会指導医・専門医、消化器外科学会指導医・専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、マンモグラフィー読影認定医、後期研修医など)で食道外科、消化管外科、肝胆膵外科、呼吸器外科、乳腺外科を 5本柱とし外科全般の業務を日夜行っております。
特に消化器疾患は消化器内科医師と連携し2007年に設立した消化器病センターにおいて消化器内科と消化器外科の密な連携と検討会などを通して 急性期疾患および消化器外科疾患全般に対して昼夜を問わない診療を提供しております。
2023年は1,207例に対して手術を施行、その中で鏡視下手術が約676例と半数を占めており患者様の立場に立った低侵襲手術の積極的な提供を行っているのが当科の特徴です。
医師プロフィール
網木 学
外科科長/外科主任部長
専門分野・得意とする手技
- 内視鏡外科
- 肥満減量外科
略歴
- 2002年 国立水戸病院(現:水戸医療センター) 初期臨床研修医
- 2008年 済生会栗橋病院 外科
- 2015年 川崎幸病院 外科
- 2017年 四谷メディカルキューブ 減量外科フェロー
- 2019年 川崎幸病院 外科
認定資格等
- 麻酔科標榜医
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本内視鏡外科学会技術認定医・評議員
- 日本消化器外科学会専門医・指導医
- 検診マンモグラフィー読影認定医
- 日本ヘルニア学会評議員
- 厚生労働省指定オンライン診療研修修了
論文実績
成田 和広
外科消化管部門長
専門分野・得意とする手技
- 消化器外科(特に大腸肛門外科)
- 内視鏡外科および消化器内視鏡
略歴
1993年 | 昭和大学医学部卒業 |
1997年 | 昭和大学大学院医学研究科修了 医学博士 |
認定資格等
- 医学博士(甲)
- 日本外科学会認定医・専門医・指導医
- 日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
- 日本大腸肛門病学会専門医・指導医・評議員
- 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
- 日本消化器病学会専門医・指導医
- 日本救急医学会救急科専門医
- 日本腹部救急医学会腹部救急認定医・評議員
- 日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸)・評議員
- 日本臨床外科学会評議員
- 日本外科感染症学会評議員
- 大腸癌研究会施設代表者
- 大腸ステント安全手技研究会世話人
- 神奈川ストーマ研究会世話人
- 川崎市外科医会常任幹事
- 厚生労働省認定臨床研修指導医
- ICD(認定)
- 身体障害者指定医
- 内痔核治療法研究会四段階注射法講習会修了
- TNTコース修了
- 緩和ケア研修会修了
- 仙骨神経刺激療法講習修了
- 急性期病棟におけるリハビリテーション医師研修会修了
原 義明
外科肝胆膵部門長
専門分野・得意とする手技
- 消化器外科
- 肝胆膵外科
- 内視鏡外科
略歴
1996年 | 新潟大学医学部卒業 |
認定資格等
- 日本外科学会認定医・専門医・指導医
- 日本消化器外科学会専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
- 日本肝臓学会肝臓専門医
- 日本内視鏡外科学会技術認定医・評議員
- 日本肝胆膵外科学会評議員
- 日本腹部救急医学会腹部救急認定医・教育医・評議員
- 厚生労働省認定臨床研修指導医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本移植学会移植認定医
- 日本胆道学会指導医
- 日本膵臓学会指導医
- 医学博士
末永 泰人
外科医長
専門分野・得意とする手技
- 大腸外科
略歴
2011年 | 名古屋市立大学医学部医学科卒業 |
2011年 | 市立四日市病院 初期研修医 |
2013年 | 市立四日市病院 外科 |
2018年 | 愛知県がんセンター 消化器外科 |
2021年 | 新松戸中央総合病院 外科 |
2023年 | 川崎幸病院 外科 |
認定資格等
- 日本外科学会外科専門医
- 日本消化器外科学会消化器外科専門医
望月 一太朗
外科医師
略歴
2015年 | 金沢大学医薬保健学域医学類卒業 |
2015年 | 金沢大学附属病院 初期臨床研修医 |
2020年 | 川崎幸病院 外科 |
結城 啓介
外科医師
渡部 和玄
外科医師
略歴
2018年 | 東京大学医学部医学科卒業 |
2018年 | 東京都健康長寿医療センター 外科 |
2020年 | 静岡県立総合病院 消化器外科 |
2022年 | 東京大学医学部附属病院 外科 |
2023年 | 川崎幸病院 外科 |
大倉 拓
外科医師
略歴
2020年 | 横浜市立大学医学部医学科卒業 |
2020年 | 東京品川病院 |
2022年 | 東京品川病院 呼吸器外科 |
2022年 | 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター 心臓血管外科 |
2023年 | 済生会横浜市南部病院 外科 |
2024年 | 川崎幸病院 外科 |
小川 純平
外科医師
後藤 学
副院長/診療部長/外科顧問
専門分野・得意とする手技
- 消化器外科(特に消化管・肝胆膵)
- 内視鏡外科
略歴
- 1989年 日本医科大学医学部卒業
認定資格等
- 日本外科学会専門医
- 身体障害者指定医
- 厚生労働省認定臨床研修指導医
乳腺外科医師プロフィール
木村 芙英
乳腺外科部長/ブレストセンター長
(第二川崎幸クリニック担当)
専門分野・得意とする手技
- 乳癌の検診・診断・治療、乳房の良性病変に対する治療
略歴
2003年 | 東京医科大学医学部 卒業 |
2003年 | 自治医科大学消化器一般外科・外科ローテーション |
2005年 | 東京医科大学乳腺科 入局 |
2006年 | がん研究会がん研究所細胞生物部 研究生 |
2008年 | 東京医科大学乳腺科臨床研究医 |
2009年 | 東京医科大学乳腺科助教 |
2016年 | 第二川崎幸クリニック乳腺外来 入職 |
2019年 | 川崎幸病院乳腺外科副部長 |
認定資格等
- 日本外科学会専門医・指導医
- 日本乳癌学会専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- マンモグラフィー読影認定医
- 日本超音波医学会 超音波専門医
- 緩和ケア研修会修了
- 東京医科大学病院乳腺科兼任講師
- 医学博士
中村 幸子
乳腺外科副部長
(第二川崎幸クリニック担当)
略歴
2005年 | 東海大学医学部卒業 |
2005年 | 都立豊島病院 初期研修医 |
2007年 | 東京医科大学病院乳腺科 入局 |
2009年 | 大阪大学乳腺内分泌外科学講座 大学院生 |
2013年 | 東京医科大学病院乳腺科 助教 |
2014年 | 東京共済病院乳腺科 |
2017年 | 第二川崎幸クリニック乳腺外来 入職 |
認定資格等
- 日本外科学会専門医
- 日本乳癌学会専門医・指導医
- 臨床遺伝専門医
- 遺伝性腫瘍専門医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- マンモグラフィー読影認定医
- 乳腺超音波読影認定医
- 緩和ケア研修会修了
- 医学博士
関 晶南
乳腺外科医長
(第二川崎幸クリニック担当)
略歴
2013年 | 高知大学医学部 卒業 |
2013年 | 東京臨海病院 初期臨床研修医 |
2015年 | 聖路加国際病院 |
2021年 | 第二川崎幸クリニック乳腺外来 入職 |
認定資格等
- 日本外科学会専門医
- 日本乳癌学会認定医
- マンモグラフィー読影認定医
- 乳腺超音波読影認定医
- 緩和ケア研修会修了
がん治療センター センター長
第二川崎幸クリニック 院長
関川 浩司
第二川崎幸クリニック院長 / 川崎幸病院外科顧問
略歴
- 1980年 福島県立医科大学医学部卒業
- 1986年 オランダ王立リンブルグ大学
- 1990年 大原綜合病院外科部長
- 2000年 福島県立医科大学外科学第二講座助教授
- 2006年 川崎幸病院副院長・外科部長
- 2007年 川崎幸病院消化器病センター長/福島県立医科大学臨床教授
- 2015年 第二川崎幸クリニック院長
受診のご案内
外来は第二川崎幸クリニックにて行っています。ご予約・お問い合わせはクリニックまでお願いします。
TEL044-511-2112(予約専用電話)
第二川崎幸クリニック
〒212-0021 神奈川県川崎市幸区都町39-1
午後診療/14:00~16:30
夕方診療/17:30~予約診療終了まで
土曜診療/ 9:00~12:00
休診日/日曜・祝祭日
第二川崎幸クリニック交通アクセス
https://saiwaicl-2.jp/access/