麻酔科

麻酔科の特色

川崎幸病院麻酔科は心臓血管などの大規模手術から日帰り手術まで、多種多様な手術をうける急性期の患者さんに対して適切な麻酔管理を行うべく診療を展開しています。
病院手術室はハイブリッドOR1部屋・心臓手術用2部屋・大血管手術用2部屋、アンギオ室を含む8部屋でしたが、2017年に別階に胸・腹腔鏡手術用3部屋を増築し合計11部屋となりました。 別棟クリニック手術室も合わせると13となります。約1km離れたクリニックも含め、全手術室は病院電子カルテ・手術部門システムでつながっており、統括管理が可能となっています。
また、病院方針である24時間365日の当院治療可能疾患に対するNo Refusal Policyを可能とするため、以下の管理に注力しています。

  1. 日勤帯手術枠では手術室コーディネーターと我々で整備された予約システムを用いた効率的スケジューリングを実施し、勤務時間内手術室稼働率を向上させること。
  2. 手術の状況に合わせ動的なリスケジュールを随時実施すること。
  3. 時間外麻酔科対応体制を心臓・大血管系列1列と一般外科系列1列の2列体制として緊急手術に対するマンパワー供給不足を回避すること。
  4. 業務間インターバルを確保したシフト管理の実施。

これにより時間外に延長する予定手術を削減し、No Refusal Policyを実施しながらも、過重労働を回避できる体制が整えられています。

そして現在の最大の難課題であるCOVID-19への対策としては、ウイルス特性を理解した上で院内ルールと合致させた手術室対応ルールを策定し、ウイルス暴露の防止策を徹底して実施しています。

麻酔科の体制

川崎幸病院麻酔科には日本麻酔科学会(専門医機構)専門医・心臓血管麻酔専門医が複数在籍しており、全身麻酔管理業務・周術期管理業務や手術室管理業務を行なっております。
日勤帯は非常勤医を含め、全ての手術列に対応できる体制をとっています。準備と麻酔導入の行程を多く必要とする手術にはスーパーバイザー兼ブースターの麻酔科医も入り、安全かつ円滑な麻酔業務の実施を可能にしています。
時間外シフトに関しては、基本シフトとして心臓・大動脈外科とその他外科担当を分け,2列体制としています。非常勤医の力も借りているため、担当時間は【0時交代】を原則としています(17-24時、0-9時)。
連絡ミスによるトラブルやモチベーション低下を防止するため、スタッフ間では情報共有ソフトウェアを利用したシームレスな情報伝達・共有を実施しております。
モニタ機器などに関しては2台のハイエンド3D経食道超音波診断装置をはじめ、大学病院並みの機器がそろっており、日々の安全な診療の実施に加え、臨床研究の実施にも役立てることができます。
その他、急性期疼痛コントロールや呼吸ケアチーム・緩和ケアチームなどにも参加し、手術室外の診療にも尽力しています。

麻酔科の体制
麻酔科の体制
麻酔科の体制
麻酔科の体制

治療実績

全手術件数の推移

全手術件数の推移

年度ごとに手術件数は増加しています。総手術件数に比して麻酔科管理症例が多いのが特徴です。

2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
総手術件数 4,395 4,624 5,152 5,288 5,584
麻酔科管理手術件数 3,691 4,055 4,603 4,620 4,863
形成外科 17 87 135 161 152
外科/呼吸器外科 828 863 961 1,053 1,132
大動脈外科 884 938 940 1,150 1,128
心臓外科 - - - - 425
循環器内科 - - - - 95
腎臓内科 2 4 16 168 210
整形外科 873 1,014 1,104 1,080 659
脳神経外科 209 263 263 495 476
泌尿器科 477 474 611 723 773
血管外科 249 150 138 6 -
婦人科 (9月~)59 234 353 397 460
麻酔科CSFD 93 69 59 54 74

※2016年度、2017年度はIVR科と大動脈外科は合算しております。

心臓・大血管手術のみならず、脳外科や泌尿器、食道や肝胆膵を含む外科、呼吸器外科、腹腔鏡手術なども実施しています。

川崎幸病院麻酔科の特徴的症例の紹介

川崎大動脈センター手術件数推移詳しくはこちら

大動脈外科手術件数推移

大動脈外科手術件数推移

胸腹部大動脈置換手術件数推移

胸腹部大動脈置換手術件数推移

大血管手術症例数は日本一の多さです。なかでも難易度の高い胸腹部大動脈瘤手術の実施件数が多いのが特徴です。主にこれは部分バイパス法である左心バイパス法を用いて自己心拍・分離肺換気下に実施されます。

脊髄保護(CSFD)件数

脊髄保護(CSFD)件数

胸腹部大動脈瘤手術とあわせ麻酔科で実施されるCSFD件数も日本有数の多さでしょう。正確な実施と合併症予防のため放射線透視下に実施し、独自のガイドラインを策定して安全な管理をめざしています。

川崎心臓病センター手術件数推移詳しくはこちら

2019年4月~12月までの実績

川崎心臓病センター手術件数推移

心臓外科手術は今後増加していくことが予想されます。特徴としては内膜摘除+オンレイ法を用いたOPCABや、僧帽弁形成、大動脈弁形成や自己弁温存大動脈基部置換術、MICS手術などの豊富な手術バリエーションが挙げられます。 TAVIに関しては、日本有数の実施件数に増加することが見込まれています。一般的な症例に対しては従来の方法をアレンジした自発呼吸温存の鎮静・鎮痛法(経胸壁超音波使用)を用いた麻酔管理を実施しています。

脳血管センター手術件数推移詳しくはこちら

脳血管センター手術件数推移

脳外科もドクターカー制度を有し、脳梗塞・出血等の早期治療が可能な体制をとっています。
開頭手術(クリッピング・脳腫瘍・血腫除去)はもとより、血管バイパス術や頸動脈内膜剥離術(CEA)、脊椎手術の手術室症例も豊富です。その他、脳動脈塞栓術や頸動脈ステント内装術(CAS)などの血管内手術麻酔管理をアンギオ室で実施してます。

医師プロフィール

髙山 渉

髙山 渉

麻酔科科長/麻酔科主任部長/患者支援センター長/ICU部長/
手術室・中央材料室統括部長

専門分野・得意とする手技

  • 麻酔全般

略歴

  • 2002年 筑波大学医学専門学群 卒業
  • 2002年 医師免許取得
  • 2002年 東京医療センター 初期研修医
  • 2004年 東京医療センター 麻酔科
  • 2006年 川崎幸病院 麻酔科
  • 2007年 東邦大学大学院医学研究科外科系外科学 入学
  • 2008年 東京医療センター 麻酔科
  • 2009年 川崎市立川崎病院 麻酔科
  • 2011年 川崎市立井田病院 麻酔科
  • 2012年 東邦大学大学院医学研究科外科系外科学 卒業
  • 2014年 川崎幸病院 麻酔科

認定資格等

  • 麻酔科標榜医
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 日本周術期経食道心エコー認定医
  • 医学博士

迫田 厚志

麻酔科部長

略歴

  • 2006年 大分大学医学部医学科卒業
  • 2006年 伊勢原協同病院 初期研修医
  • 2008年 横浜市立大学麻酔科入局
  • 2016年 川崎幸病院 麻酔科

認定資格等

  • 日本周術期経食道心エコー認定医
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 心臓血管麻酔専門医
  • 日本麻酔科学会指導医

原田 昇幸

麻酔科副部長

略歴

  • 2007年 東邦大学医学部医学科卒業
  • 2007年 東邦大学医療センター大森病院 初期研修医
  • 2015年 東邦大学医療センター大森病院 麻酔科助教
  • 2016年 順天堂大学医院 嘱託医
  • 2020年 川崎幸病院 麻酔科

認定資格等

  • 麻酔科標榜医
  • 日本麻酔科学会専門医

甘利 奈央

麻酔科医長

略歴

  • 2020年 川崎幸病院 麻酔科

認定資格等

  • 日本周術期経食道心エコー認定医
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 日本麻酔科学会指導医

神門 洋介

麻酔科医師

略歴

  • 2013年 鹿児島大学医学部医学科卒業
  • 2013年 板橋中央総合病院 初期研修医
  • 2015年 板橋中央総合病院 麻酔科
  • 2016年 神奈川県立こども医療センター 麻酔科
  • 2017年 前橋赤十字病院 救急科・集中治療科
  • 2017年 板橋中央総合病院 麻酔科
  • 2018年 川崎幸病院 麻酔科
  • 2019年 埼玉石心会病院 麻酔科
  • 2022年 川崎幸病院 麻酔科

認定資格等

  • 麻酔科標榜医
  • 麻酔科学会認定医
  • 日本周術期経食道心エコー認定医
  • 日本麻酔科学会専門医
  • 日本区域麻酔検定試験合格

関 周太郎

麻酔科医師

岩澤 由梨香

麻酔科医師

認定資格等

  • 日本麻酔科学会専門医
  • 心臓血管麻酔専門医
  • 日本周術期経食道心エコー認定医

倉富 秀之

麻酔科医師

池田 素代香

麻酔科医師

砂永 仁子

麻酔科医師

認定資格等

  • 麻酔科標榜医
  • 日本専門医機構認定麻酔専門医
  • 日本麻酔科学会指導医
  • 日本周術期経食道心エコー認定医
  • 医学博士