大動脈瘤について 基本編

何歳まで手術は可能か?

よく大動脈瘤の手術は何歳くらいまで可能ですかという質問がよせられます

結論からいえば、年齢の上限はありません。実際、私どものセンターでは90歳以上の方も手術を受けられてお元気になっています。 簡単な目安は、90歳でも、ご自分の身の回りのことを日常的にされている方であれば、手術が可能です。逆にいえば、たとえ年齢が若くても手術に耐えられないような患者さんもいらっしゃいます。 つまり、暦年齢だけで、手術の可否を決めることはできないということです。

余病とは、動脈瘤以外の病気を持っている場合です

糖尿病や膠原病などの全身の病気、あるいは心臓、肺、腎臓などの臓器障害をもたれていることがあります。 もちろん、余病の程度が重症で、大動脈瘤の手術ができないということもあります。 しかし、余病をお持ちかたでも、手術方法を工夫したり、補助循環法を追加したりすることにより、多くの患者さんで手術が可能となります。

余病の程度と手術の関係は、医師の熟練度におおきく依存します

したがって、今現在余病のために手術が不可能であると医師からいわれている(あるいは手術を断念している)患者さんも、一度、大動脈の専門医師の診察を受けることをおすすめします。 手術を含めて治療が不可能であるということは、多くの場合ありません。ただし、高度の意識障害、末期がん、および寝たきりの患者さんに対しては手術治療が適当ではないと判断することがあります。