急性大動脈解離の治療
川崎幸病院 川崎大動脈センター センター長/大動脈外科部長 大島 晋
急性大動脈解離は大きく分けて心臓に近い上行大動脈に起こるスタンフォードA型と上行大動脈に解離がなく、下行大動脈より末梢側に起こるスタンフォードB型に分類されます。A型は緊急手術、B型は安静と厳重な血圧管理による保存的加療が基本治療になります。
手術方法は、“胸部大動脈瘤の治療”で説明した上行大動脈瘤、および弓部大動脈瘤とほぼ同じです
ただし、血管が非常にもろいことが多く、高度な手術技術が必要です。術後は通常の大動脈瘤よりは、ゆっくりとしたリハビリプログラムをおこない、社会復帰を可能にしています。入院期間はおよそ4週間ですが、退院後もある一定期間は、慎重な経過観察が必要です。