何かの役に立つということを抜きにして
僕たちがお互いに必要としあう間柄になれたら
どんなにいいことだろう
「落穂拾ひ・聖アンデルセン」 作者:小山清 より
主人公は貧しい小説家。ほとんど誰とも話さない生活を送っています。
そんな日常の中、よく通う古本屋で若い女店主と言葉を交わすようになっていきます。
するとある日、彼女は主人公と同じ日に生まれた芸術家の名前を教えてくれました。同じく貧しい生活の中で創作を続け「落穂拾い」を描いた画家ミレーです。
そして、彼女は主人公の誕生日プレゼントにと爪切りと耳かきを贈ってくれました。
この物語が実録かどうか、それは言うまでもない。その一文でこの物語は終わります。