ステントグラフトによる治療~胸部大動脈瘤①~

胸部大動脈瘤手術は腹部大動脈瘤に比べ手術の難易度が高く、患者さんへの侵襲(負担)も大きい手術です。ステントグラフトによる負担の少ない治療が可能であれば、患者さんは大きな恩恵を受けることができます。ただし腹部大動脈瘤に比べていくつかの問題があります。

  • 弓部など脳を栄養する血管が分枝していて場所により留置困難。
  • 腹部大動脈に比べ血管が太い、そのためステントグラフト自体が太いものとなり、足の付け根の細い血管からでは挿入できない。
  • 解離性の大動脈瘤には原則使用できない。

以上のような問題点があります。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~胸部大動脈瘤①~ はコメントを受け付けていません。

クリスマスツリー

もう、デパートやホテルなど、クリスマスのデコレーションになる時期がきました。クリスマスツリーを飾っている家も多いのでは?川崎大動脈センターでも、クリスマスツリーを飾りました。エレベーターの横に、設置しました。ピカピカとライトもつけて。飾りつけは、患者さんと一緒にする予定です。クリスマスって大人になってもワクワクしますよね(^o^)

カテゴリー: 編集者 | クリスマスツリー はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤⑥~

以前のブログで記載した解剖学的条件は大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)から一部改変したものです。数値は製品により異なります。正常部分が若干短くても適応できる製品や、屈曲に強い製品など各企業製品には特徴があり、患者さんの条件に応じて製品の選択をしています。場合によっては自作ステントグラフトで対応する場合もあります。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤⑥~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤⑤~

適応基準を簡単に説明すると、動脈瘤の前後に正常な部分が充分あること、屈曲、蛇行が強くないことです。動脈瘤の前後に良い血管がないとステントグラフトの固定が悪く、せっかくステントグラフトを入れてもすき間から血液がもれ(エンドリーク)動脈瘤が拡大、破裂する危険が出てくるからです。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤⑤~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤④~

一般的な腹部大動脈瘤ステントグラフト治療の適応基準は以下の通りです。

身体的な適応基準として

  • 過去に開手術の既往があり、癒着により手術が困難と予測される場合。
  • 心疾患、呼吸器疾患、脳血管疾患等のため開腹手術が危険と判断される場合。

解剖学的な適応基準として

  • 腎動脈下腹部大動脈瘤
  • 腎動脈下大動脈に正常大動脈15mm以上
  • 60度以下の屈曲
  • 総腸骨動脈の拡大15mm以下
  • 腸骨動脈の正常部分の長さが10mm以上

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤④~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤③~

今後もますます技術が進歩し成績が向上することが期待されます。ただし、手術治療が50年以上の歴史があるのに比べて、現時点でのステントグラフト治療の歴史は10数年程度であり、20年、30年といった長期の成績は不明です。また、ステントグラフトは動脈瘤の解剖学的特性によりその成績が影響されるため、解剖学的適応基準に準拠することが使用の条件となっています。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤③~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤②~

権威ある医学雑誌Lancet誌にも腹部大動脈瘤の前向き比較試験で、術後四年間での動脈瘤関連死は外科手術よりもステントグラフト治療の方が有意に低いことが証明されています(Lancet 365: 2179, 2005)。10年前と比べると最近の企業製ステントグラフトは改良がすすみ、治療成績も格段に向上しています。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤②~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤①~

1990年にアルゼンチンのパロディ医師によって始められた自作ステントグラフト治療は、欧米では2000年ころから数々の企業製品が出現し、成績も飛躍的に向上しています。日本では2007年から欧米の企業製腹部大動脈ステントグラフトが認可され、国内でも使用可能になりました。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~腹部大動脈瘤①~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~治療の判断~

ステントグラフト治療と手術治療とバランスよく行っている施設での診断、治療が必要です。

手術治療のみ行っている施設であれば、一般にステントグラフトが良いであろうと思われる例でも、手術を勧められる場合があります。同様にステントグラフトが主で、手術治療はほとんど行っていない施設にでは、一般に手術治療が良いであろうと思われる場合にもステントグラフト治療を勧められる事が多いと思われます。その結果、最終的には手術が必要になってしまう場合があります。一般的にステントグラフト後の手術は、初回手術よりも非常に困難な手術となってしまいます。手術をあまり行っていない施設では、選択肢がステントグラフトに限られるだけでなく、そういったトラブル時の手術対応も困難となる可能性もあります。ステントグラフト治療は、とりあえず出来そうだからやってみるのではなく、ステントグラフトを入れた結果がどうなっていくかを考慮し判断する事が非常に大切です。ステントグラフト治療と手術治療の両方をバランスよく行っている施設で適切な診断、治療を受けることをお勧めします。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~治療の判断~ はコメントを受け付けていません。

ステントグラフトによる治療~川崎大動脈センターでは~

川崎大動脈センター/血管内治療部門は、専門の大動脈外科医・放射線科医・循環器内科医・臨床工学士によって構成しており、診断から治療まで一貫した方針により適切な治療を行います。

カテゴリー: 編集者 | ステントグラフトによる治療~川崎大動脈センターでは~ はコメントを受け付けていません。