胸腹部大動脈瘤 ~合併症予防①~

脊髄障害

手術中の脊髄液ドレナージ、末梢大動脈血液灌流、各種脊髄保護関連薬剤の使用、中等度低体温療法などにより、脊髄障害の予防が可能となっています。

 

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胸腹部大動脈瘤 ~治療法②~

体外循環も下行大動脈瘤と同様におこない、心臓は動かしたままで体温も下げません。腹部臓器(肝臓、腎臓、腸管)に血液潅流や保護液の注入をおこない臓器を保護します。 1) 近位下行大動脈、2) 肋間動脈、3) 腹腔動脈、4) 上腸間膜動脈、5) 左右腎動脈、6) 遠位腹部大動脈をそれぞれ人工血管に吻合し、血流を再開して手術を終了します。“最難関の大動脈手術”といわれていますが、当センターでは標準的手術に属します。

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胸腹部大動脈瘤 ~治療法①~

胸腹部大動脈瘤人工血管置換手術(おもにⅡ型の方法を記載します)

胸腹部大動脈瘤(下行大動脈から腹部大動脈全長に渡る動脈瘤)に対する手術です。 下行大動脈瘤と同様に左開胸(左の脇の下に30cmほどの皮膚切開をおき、左側の上から5番目の肋骨の間を開いておこなう)でおこないますが、さらに開腹をおこない、胸部から腹部までの大動脈を同時に置換する手術です。

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胸腹部大動脈瘤 ~治療方針②~

病型分類 治療方針
Ⅰ型 体外循環装置を使用し、肋間動脈(8番目から12番目の3~4対)の再建と、場合によって腹部4分枝血管の再建をおこないます。
Ⅱ型 体外循環装置を使用し、肋間動脈(8番目から12番目の3~4対)の再建と、腹部4分枝血管の再建をおこないます。ひきつづき、腹部大動脈の再建をおこないます。
Ⅲ型 体外循環装置を使用し、腹部4分枝血管の再建をおこないます。ひきつづき、腹部大動脈の再建をおこないます。
Ⅳ型 体外循環装置を使用せず、腹部4分枝血管の再建をおこないます。つづき、腹部大動脈の再建をおこないます。

 

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胸腹部大動脈瘤 ~治療方針①~

最大径50mm以上※(ガイドラインでは60mm以上)を手術適応としています。50mmに満たない場合も、半年から1年毎にCT撮影をおこない、経過を観察します。手術は大動脈の直径が50mm以上の部分を中心に切除し、人工血管に置換します。手術方法は、病型分類により異なります。

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胸腹部大動脈瘤 ~症状~

胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤と同様にほとんどが無症状です。

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胸腹部大動脈瘤 ~破裂頻度と統計~

胸部大動脈瘤の年間破裂率に準じます。

大動脈の直径 破裂率
40mm未満 0%
40mm~49mm 0%~1.4%
50mm~59mm 4.3%~16%
60mm以上 10%~19%

 

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胸腹部大動脈瘤 ~定義・分類~

胸部から腹部にわたる大動脈瘤。一般的に大動脈瘤の存在する場所によって4つのタイプに分類します。手術方法に関しても、この4つのタイプによってそれぞれ置換範囲や体外循環の方法が異なります。

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治療成績

全国(2003年-2004年※) 川崎幸病院(2003年~2007年※)
死亡率 手術総数 死亡率 手術総数
上行大動脈手術 2.9% 2386
弓部大動脈手術 5.0% 2830 1.2% 232
下行大動脈手術 3.9% 1395 1.5% 126
ステント治療 5.7% 262

※待機手術のみ

 

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合併症予防③~腎障害~

手術中にできるだけ血液浄化をおこない、術後も尿量の維持をおこないます。適切な血圧管理と、体液量の管理をおこなうことにより、また近年の体外循環時間の短縮や手術時間の短縮により、大幅に腎臓障害を減らすことに成功しています。

 

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