患者からお礼を受け取らない方法

日本の場合は患者が医者や看護師に”お礼”(いわゆる金品贈与)をする風習がある。
どこの病院も建前では禁止しているが、実際はほとんどの医者が患者からの”お礼”を受け取っている。もちろん僕もその一人だったが、それは患者やその家族が感謝してくれて、わざわざデパートなどに行って買ってきてくれた商品券を突っ返すのも忍びないという気持ちからだった。それに、差し出された”お礼”を断ると、患者に対して「オマエのやっていることは良くないことなんだぞ!」と説教しているようで気分の良いものではない。しかし、やはり罪悪感があった。そうだ、自分のポケットに入れるのは良くないが、医局の本を買ったりするのなら許されるのでは・・、と思ったこともあったが、結局自分のところに戻ってくるわけで同じことだった。”お礼”を受け取った後は必ず自分の卑しさに気付き、何とも言えない気持ちになる。
ところがある策を講じて以来、患者からの”お礼”が全くなくなった。その方法は、外来で医師の診察が終わった後に、事務員が入院や手術の説明をするのであるが、その時に「お礼辞退」の話をすべての患者にすることにしたのである。
ポイントは話の内容だ。ただ、禁止されているからダメとっても効果はない。
ウチではわざわざこう言わせている。
「当院ではお礼は禁止されています。職員がお礼を受け取った場合、医師・看護師を問わず、すべて懲戒処分(減俸)対象となりますのでくれぐれもご注意いただきたいと思います」。
患者は医者や看護師に迷惑をかけてはいけないと考えるのか効果は絶大であり、この7年間、”お礼”はゼロである。

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コーヒーカップとティーカップ

コーヒーカップとティーカップのお話し
  

ふたりはお互いを羨ましく思っていました。
「ティーカップはいいなぁ。薄くて広くいから心が広そう・・どうして自分はこんな形をしているんだろう。図太そうでやだな・・」
「コーヒーカップはいいなぁ。厚くてどっしりしていて狭いから口も堅そうだし・・どうして自分はこんな形をしているんだろう。うすっぺらいみたいでやだな・・」
どうしてこんな形を・・?
ふたりは「そうだ!自分を作った人に聞いてみよう!そうしたらこの形の意味もわかるかもしれない。」と思い聞きにいきました。
作った人は、
「それはね。それぞれの用途に合わせて作ったんだよ。
コーヒーは冷めない方がおいしい。だから厚くて口を狭く作ったんだよ。コーヒーが冷めないでずっとおいしく飲めるでしょ。
紅茶はとっても熱いお湯で入れるのが一番おいしい。でも熱すぎて飲めないから薄くて口を広く作ったんだよ。紅茶の香りが広がりやすくて色もキレイに見えるでしょ。
それぞれの飲み物が一番生かされるためにね。」
ふたりは「そうか!だから私はこういう形をしてるんだ!」

同じ人はいない。外見も内面も。みんなコンプレックスがあると思いますがそれが一番の個性だったりもします。
自分が自分でいることには意味がある。すべてに意味があるんだと思えたら・・ちょっと毎日が楽しくなりませんか?

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対角線ルール

川崎大動脈センターの医師の間には「対角線ルール」なるものがある。
病院内では同じ場所に複数の医師がいてはいけない、というものだ。
大動脈センター設立時、医師はたった三人。一人がICUで患者を診て、一人が病棟で処置をして、一人が手術に入る。三人で手術に入ったら術後患者を診る医者がいなくなる。一人が外来に出ているときに、二人で食事に行ったら手術ができない。という訳で、自然と病院の対角線上に医者がいることになった。
医者が多くなっても、その慣習は今でも健在である。大学のように医者が全員でゾロゾロと回診することはない。食堂で食事をするときも大動脈センターの医者は決まって独りである。
チーム医療になっていない?確かに同好会的チームにはなっていないね。なぜなら、ウチはプロチームだから。

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サクラが満開です!

雨が降ってサクラが散ってしまう・・・と言われていた雨は少し降っただけで、神奈川のサクラはいまが満開です!

満開のサクラを見ると気持ちがやんわり優しくなるのはなんででしょう。

お花見をするときもタバコ・お酒はほどほどに。
生活習慣病で血管はもろくなってしまいます。大動脈も血管です。
詳しくは川崎大動脈センターサイトへ。

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原点回帰の営業

まだ、川崎大動脈センターが無名だったころ、よく大動脈センターのパンフレットを抱えて病院周りをした。いわゆる営業である。
循環器内科の先生に直接電話をして実際に会う約束をしてもらえるのは10件に1件、たいていは「先生もお忙しいでしょうし、来ていただくには及びません」と体よく断られる。
それでもめげずに電話をして、アポを取る。指定された時間に学会の総会でもしないネクタイを締めて訪問する。
皆が歓迎というわけではない。
いつだったか、訪問先の医局秘書から「外でお待ちください」と言われ廊下に出ると、10人以上の製薬会社担当者が並んでいて、その最後尾に並ばされた。結局30分以上待たされた挙句、「ウチは大学と提携してるから来てもらってもねぇ・・」とアッサリ断られる始末。
その一方で、ご丁寧に訪問のお礼状をいただき感激したこともあった。
過去に訪問した病院は100件を越えたが、その営業を最近また再開した。週4件を自分のノルマとした。原点回帰である。


※パンフレットは「川崎大動脈センターサイト」よりダウンロードできます

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「○○さんをよろしくお願いします」

外来で患者を診たり、手術をすることになると、大昔から時々ある現象が起こる。それは、「OOさんをよろしくお願いします。」といった電話だ。電話をかけてくるのは、知り合いの大学教授だったり、会ったこともない会社社長だったり、近所のおばさんだったり、知りもしない国会議員(の秘書)だったりもする。ごく親しい人から「ウチの母をお願いします。」というのであれば、わかる。先日某大学教授から電話があり、「OOさんの手術、よろしく」と言われた。「先生のお知り合いですか?」と聞くと、「いや、知らない。じつは僕に頼んできた人も、だれか知り合いから頼まれたって言ってたよ。その知り合いの、さらに知り合いあたりらしいんだが、よくわからん!」「・・・」。しかたないので、患者の病室まで行って、「xx大の教授に△△さんという人から電話があって、あなたの手術をよろしくと言ってたそうですが、わかりますか?」と聞いた。患者も、「誰でしょう?心当たりありません・・」という珍現象が起こった。
そういえば、ある地方の病院に赴任した当初、手術が終わって手術室から出てくると、手術室の前に何十人もの人が集まっている。なにか大事件か?と思って看護師に聞くと、「この辺の人は皆義理堅くて、近所の人もみんな、ああやって集まるんです」と言われた。
僕は自分の葬式などサラサラする気は無いが、親しくない人なんかには絶対来てほしくないね。


さくらが咲いてきましたね。

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首都圏の新たな大動脈がオープン

3月16日(土)に東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が始まりました。

-yahooニュースへ
埼玉県西部から東京副都心を通り横浜を結ぶ首都圏の新たな大動脈(東横線・副都心線など)の鉄道が直通オープンして埼玉の方も川崎に来やすくなりました。
身体の大動脈も快適に、健康にありたいですよね。

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大動脈解離とは

「大動脈解離」とよく聞きますが、いったい大動脈血管に何が起ったのでしょうか?

大動脈解離は、簡単にいうと、大動脈の血管壁が裂けている状態です。
裂けているといっても、破れているわけではありません。
血管壁の内側の膜に亀裂ができ、内側と外側の膜の間に血液が流れ込んだ結果、血管を2重構造にしてしまうのです。

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手術に年齢上限はありません

よく「大動脈瘤の手術は何歳くらいまで可能ですか?」という質問を受けます。

手術に年齢の上限はありません。

実際、当センターでは90歳以上の方も手術を受けられてお元気になっています。
簡単な目安は、90歳でもご自分の身の回りのことを日常的にされている方であれば手術が可能です。
逆にいえば、たとえ年齢が若くても手術に耐えられないような患者さんもいらっしゃいます。
つまり、暦年齢だけで、手術の可否を決めることはできないということです。

手術の可否は、検査後、医師が患者さんの症状や体調、環境などを含め総合的に判断します。
ご自身で判断せず当センターへお問い合わせください。



※「診療の流れ」より:川崎大動脈センターサイトからご覧になれます

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川崎大動脈センター・ドクターカー

川崎大動脈センターは、24時間365日、すべての大動脈疾患患者を受け入れています。

また、緊急手術の必要な急性大動脈疾患患者の受け入れについては、川崎大動脈センター・ドクターカーを運用しています(24時間365日)。
川崎大動脈センター・ドクターカーは紹介元病院まで当センター医師が同乗し患者をお迎えに上がるものです。
これまでのように紹介元病院の先生方が患者搬送のために救急車に同乗する必要が無くなりました。
川崎大動脈センター・ドクターカーは神奈川県内全域、東京都内全域(それ以外の県でも条件により可能)で可能です。

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