尾﨑医師の現地レポート⑰inタイ

週末、レジデント向けのWorkshopをしてきました。
大動脈の吻合の基礎というテーマでしたが、普段やっていることを言語化して教えるのは自分自身の良い練習にもなりました。
レジデントは3学年合わせて15人ほどいましたが、レクチャーの後、hands-on practice中にもたくさんの質問を受けました。
積極的に学ぼうとする若者を見ると、さらに教えたくなりますし、自分もさらに精進せねばと良い刺激をもらえます。
教わる姿勢は教わるチャンスを作れます。
歳を重ねるとプライドが意地をはって、教えてもらうことに対して抵抗を覚える人が多いように思います。
若者を見て、自分も襟を正す良い機会になりました。


川崎大動脈センターでは、2024年12月から新たな試みとして当センター医師を年単位でタイに派遣しKAS: Kawasaki Aortic Surgeryを普及するprojectを開始しています。
詳しくは国際研修活動ページをご覧ください。

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尾﨑医師の現地レポート⑯inタイ

タイ南部Yala Hospitalにて炎症瘤のruptured TAAA3に対して3R+ICArをしてきました。KAC卒業生のDr.Totoがチーフをしているタイとマレーシア国境近くの病院です。
他院からも見学のdoctorが来たりと、KACのiconicな手術である胸腹部置換をシェアする非常に良い機会になりました。
Dr.Totoと久しぶりに長く話しましたが、手術において何が大切かといったphilosophyを共有できていることがわかり、とても嬉しかったです。
KACの卒業生がタイの将来を担うSurgeonの一人であることを誇りに思います。


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尾﨑医師の現地レポート⑮inタイ

タイ南部Hat YaiにあるSongklanagarind HospitalにてTAR+FETをしてきました。非常にキレイで洗練されたオペ室とミーティングルームが印象的で、doctor、staffはとても親切で意欲的なとても良いcenterでした。
比較的ベーシックなケースであり、いつも以上に一つずつdetailを説明しつつ手術ができたのが良いポイントでした。
脳保護の方法が確立され、世界中でシェアされているにも関わらず、施設によって脳梗塞の発症率に差があります。それは頸部分枝をダイレクトにつかまないといった細かいハンドリングや、丁寧なトリミングの仕方、flowの細かいcontrolなど、我々が当たり前にやっているけれど、教科書や論文には書かれていない部分の違いではないかと思います。まさにon-siteでKawasaki styleを広める意味はここにあるなと感じました。


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気温低下とともに増える大動脈解離。定期フォローアップが命を守ります

寒くなってきたためか、本日5台目のドクターカー要請が鳴りました。

大動脈解離3件、FET後の人工血管感染2件です。
昨日の夜中もA型の緊急オペでしたが、そのオペ中にもB型解離が2人運ばれて来ておりました。

大動脈解離の既往があるのに経過観察を自己中断されていた方の再解離や元々上行大動脈瘤のある方など原因は様々ですが、夏には全然来なかった解離の患者さんが突然増えており要注意だと思いました。

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尾﨑医師の現地レポート⑭inタイ

タイ北部Lampangにて行われた3rd LAMPANG CARDIAC SURGERY SEMINARに参加してきました。先月インドネシアでもご一緒したDr Nuttapon主催の学会です。


タイはもちろん、日本、インドネシア、フィリピン、ベトナム、シンガポールから多くのdoctor、perfusionistが参加しており、ベテランから若手surgeonまで、多くの友人との再会がありました。
皆の頑張ってる話を聞くととてもモチベーションになります。

Chiang Mai University(CMU)のDr.Jakaparnは12-2月で私が同院にいたとき、とても仲良くしていた若手医者ですが、彼は私が6月にCMUで行った3R+omentum flap+CABG×2をinteresting case reportとして発表してくれていました。患者さんの現在の経過も知ることができ、自分がいなくなった後も自分のしたことが人の役にたてているかなと、とてもありがたく思いました。
新しい出会いもあり、多くのdoctorからKACに見学、勉強に行きたいとのオファーをもらいました。


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共に切磋琢磨する台湾との交流

台湾のTSVS2025に参加しました。台湾の先生たちとの交流はもうかれこれ10年になります。日本の先生たちよりも頻繁に会っているのでとても居心地よくリラックスしてるディスカッション出来ました。

また、KACに関わった人達が大活躍しており、我々もこのような発表機会を頂きました。ステントグラフトに関しては台湾の先生たちは日本よりアグレッシブに行っており、どうやってリカバリーショットをするのか考える機会も得ました。これからも台湾の大動脈外科医と共に切磋琢磨していきます。

I participated in TSVS2025 in Taiwan. I have been interacting with Taiwanese surgeons for about 10 years now.
Since we meet more frequently than with Japanese surgeons, we were able to have very comfortable and relaxed discussions.
Furthermore, the people involved in KAC are doing great things, and we were given this opportunity to give a presentation. When it comes to stent grafts, Taiwanese surgeons are more aggressive than Japanese surgeons, and this gave us the opportunity to think about how to perform recovery shots.
I will continue to work hard together with Taiwanese aortic surgeons.

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尾﨑医師の現地レポート⑬in台湾

台湾、台北のTaipei Veteran General Hospitalにて2件の2R(1件はstent抜去含む)を行ってきました。
KACでトレーニングをつんだDr.TaiweiとDr.Kuoのいる病院です。
同院の麻酔科の先生も川崎幸病院の麻酔科でトレーニングをつんでおり、今年4月に訪問したときより明らかに全体のクオリティが上がっていました。彼らの成長とそれに貢献できた我々の仕事を誇りに思います。


さらに土日でTaiwan Society for Vascular Surgery (TSVS)の学会にコメンテーター&プレゼンターとして大島先生と参加してきました。
大島先生の迫力のある発表や、台湾の色々な施設のDr.とのディスカッションなど、とても有意義な学会になりました。


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尾﨑医師の現地レポート⑫inタイ

先週Bangkokにて開催のMASTERING AORTIC ROOT SURGERYという学会に招待されていたのですが、体調不良のため1日目の発表をキャンセルしていました。
同学会にはKACに二度訪問されたPhilippine Heart CenterのDr.Ricoもゲストとして参加しており、私が不在だったのにも関わらず、私やKACについて沢山の言及、賞賛をしてくれていたそうです。
Dr.Ricoや当センターで2年のtrainingをつんだDr.Pochを中心に、フィリピンでは我々をモデルとして大動脈治療のセンター化を進めようとしています。誇らしい事です。2日目に短時間でしたが会うことが出来、お互いに感謝を伝えることが出来ました。


また、基部拡大手術(Y incision)で世界的に有名なMichigan UniversityのDr. BoYangにも再会することが出来ました。以前会った時、彼がKACリトラクターに興味をもったので、blue printを送ったこともありました。(アメリカでは作れなかったそうで、日本の町工場のレベルの高さを再確認しました)
困難な環境であるほど、人が一人だけで出来ることなんて殆ど無く、全てが人と人の結びつきに助けられているという感謝を強く感じます。


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恵まれた環境に感謝―シンガポールから見えたKACの価値

シンガポールのNational University Heart CenterでVitaly教授主催のcadaver workshopに参加しました。 朝のレクチャーに始まり、病棟・ICUを見学。
気温30℃超の中でクーラーのない一般床で奮闘するスタッフを見て衝撃を受けました。

案内してくれたレジデントは英語・中国語・マレー語・方言を自在に操り、プレゼンも完璧。日本人はもっと努力せねばと痛感しました。

夜はインド、フィリピン、シンガポールの先生方の前で30分講演、その後40分の質疑応答。皆さんがKACの取り組みに強い関心を示され、普段私たちが当たり前に行っていることが、他の施設では大きな挑戦であることを改めて実感しました。恵まれた環境に感謝しつつ、さらに研鑽を続けたいと思います。

I joined the cadaver workshop hosted by Prof. Vitaly at the National University Heart Center in Singapore. The day began with a lecture, followed by ward and ICU tours. I was struck by the fact that general wards operated without air conditioning despite 30°C heat, with nurses working tirelessly under fans. The resident guiding us presented fluently in English, spoke with patients in Chinese, and could also use Malay and local dialects—a reminder of how much more effort we Japanese must make in language skills. In the evening, I gave a 30-minute dinner lecture to colleagues from India, the Philippines, and Singapore, followed by 40 minutes of intensive Q&A. Their deep interest in KAC made me realize that what we see as routine can be a significant challenge in other institutions. I feel grateful for our environment and determined to continue improving our practice.

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尾﨑医師の現地レポート⑪inタイ

Chaophrayayommarat Hospitalにて2日間の出張手術(TAR2件)をしてきました。来年で創立100年を迎える病院です。


この病院には3回目の訪問で2件目は同院のChief、Dr.Peaの前立ちをしました。止血も含めて、慣れていないとわからないポイントがわかり、自分の勉強になりました。

初めは思うようにいかないかもしれないが、同じ道を進んでいけば同じクオリティに辿り着く、わからないことがあればいつでもサポートするから、これからの多くの患者のために続けていこう!とチーム全員に伝えました。皆が信じて続けていくために、我々はより一層のクオリティを示していこうと感じました。


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