偉大な先輩方と歩む心臓外科の道

ウィンターセミナーで貴重な発表の機会を与えてもらいました。
私の師匠である山本先生と、心臓外科のエキスパートである高梨先生と対談形式でお話しさせていただきました。自分たちの系譜を知り、偉大な先輩方の上に今の医療があることを忘れないようにしたいと思います。

I had the valuable opportunity to present at the Winter Seminar. I participated in a panel discussion with my mentor, Dr. Yamamoto, and Dr. Takanashi, a leading expert in cardiac surgery. It was a meaningful experience to reflect on our lineage and to remind ourselves that the foundation of modern medicine is built upon the contributions of our great predecessors.

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予定手術と緊急手術のリスク

上行55ミリで経過観察されていた患者さん。
A型解離、下肢虚血ありで搬送されてきました。解離すると、下行以下の正常な血管も障害を受ける他、手術リスクも10倍になります。
虚血臓器がある場合はさらに死亡率が高くなります。また抗凝固剤を服用している場合には出血コントロールが難しくなることがあり、さらに手術リスクは上がります。
上行大動脈置換の場合、予定手術であればリスクは1%程度で手術治療出来ます。抗凝固薬も中止してから手術することが出来るので、飲まれている方でも問題ありません。上行大動脈が50ミリ以上ある方は是非一度ご相談ください。

当センターでは、大動脈瘤のある方はいつでも紹介状なしで受診していただけます。患者さんがどの医療機関を選ぶかは大切な権利です。
セカンドオピニオンや他の治療法を探している方、ぜひご相談ください。


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【2025年の始まり】気温低下と大動脈解離

あけましておめでとうございます。
新年を迎え、新たな気持ちで大動脈手術に臨みます。大晦日と1月1日は例年通り大忙しですが、今年も例外ではありません。現在、急性A型解離の3例目を迎えようとしています。昨夜遅くに行われたB型解離のステントグラフト手術を含め、年明けからすでに4例の大動脈手術を終えています。急激な気温の低下は解離の発生率を高めるようで、油断はできません。

Happy New Year! As the new year begins, I am ready to continue performing aortic surgeries with a fresh mindset. New Year’s Eve and January 1st are always extremely busy, and this year is no exception. We are now preparing for our third case of acute type A aortic dissection. Including the stent graft procedure performed late last night for a patient with type B aortic dissection, we have already treated four aortic cases since the start of the year. Sudden drops in temperature seem to increase the incidence of dissections, so we must remain vigilant.

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緊急手術が増えています

昨日は定時手術2件に加えて緊急手術でA型解離3件の手術。当センター(KAC)では11日間で24件の胸部大動脈手術を行いました。中にはB型解離破裂に対する緊急手術もあります。
先日KASカンファレンスで広上医師がプレゼンテーションしましたが、当センターではこの5年間で63件のB型破裂に対する手術を行い、手術成績は良好でした。

Yesterday, in addition to two scheduled surgeries, we performed three emergency surgeries for Type A dissections. Over the course of 11 days, we conducted 24 thoracic aortic surgeries at KAC, including emergency surgeries for ruptured Type B dissections. Recently, at the KAS Conference, Dr. Hirokami presented that over the past five years, KAC has performed 63 surgeries for Type B ruptures with excellent surgical outcomes.

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大動脈瘤による命の危険を防ぐには

12月は緊急が多い月です。そのため胸部大動脈の定時手術を原則一日1件にしておりますが、それでもすでに今月は10日で20件の手術を行いました。

December is packed with emergencies, so we’ve been scheduling only one planned thoracic aortic surgery per day. Yet, by the 10th, we’ve already performed 20 surgeries.

仕事や家庭のことで忙しく、健康診断や医療機関への受診を控えていませんか?

大動脈瘤は自覚症状がないまま大きくなるため明らかな自覚症状が現れたときには大動脈瘤破裂や急性大動脈解離といった命の危険性がある状態になっています。 これらを予防するには破裂前の動脈瘤を見つけることが一番で、大動脈瘤の有病率が高くなる60歳以上の人は、最低でも3年に一度CT検査を受けてください。

万が一胸部や背中に激痛が起こった場合は救急車を呼びましょう。

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難症例議論!KACカンファレンス

今日はKACカンファレンスで、Bentall手術後に大網フラップで覆われた大動脈基部の仮性動脈瘤の外科的修復という難しい症例について議論しました。吉尾医師が素晴らしいプレゼンテーションを行い、貴重な見解や多くの影響力のある研究の参考文献を共有してくれました。非常に多くを学ぶことができ、すでに来週月曜日のセッションが待ち遠しいです!

Today at the KAC conference, we discussed a challenging case involving surgical repair of a pseudoaneurysm at the aortic root following a Bentall procedure with omental flap coverage. Dr. Yoshio delivered an excellent presentation, sharing valuable insights and references to various impactful studies. I learned a lot and am already looking forward to next Monday’s session!

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国際交流が生んだ学び

今日は、台湾から来たDr. Markの3か月間のトレーニング最終日でした。
この3か月間で、彼は約60件の胸部大動脈手術に参加し、さまざまな経験を積みました。彼の滞在期間中には、タイ、韓国、フィリピンからの外科医の訪問も重なり、国際的な視野を広げる良い機会になったと感じています。今後も毎週のカンファレンスで彼と経験を共有しながら、さらなる手術成績の向上を目指していきたいと思います。

Today was the last day of the 3-month training at our center for Dr. Mark from Taiwan. During these three months, he participated in approximately 60 thoracic aortic surgeries and had various experiences. His stay coincided with visits from surgeons from Thailand, Korea, and the Philippines, which I believe helped broaden our international perspective. I look forward to continuing to share experiences with him at our weekly conferences and strive for further improvement in surgical outcomes.

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台北栄民総医院での大動脈手術指導

台北栄民総医院で大動脈手術を指導する機会がありました。ガイド役としての役割でしたが、執刀医のDr. Chenは非常に優秀で、手術の大部分を彼自身が行いました。川崎大動脈センターで学んだ後、彼は私たちの技術を積極的に取り入れ、手術成績を大きく向上させています。川崎の手法を活用したことで、手術はほとんど無駄なく進みました。Dr. Chenが台湾で大動脈疾患患者さんの救世主となる日も遠くないと確信しています。また、彼の上司であるDr. Zhangも本当に素晴らしい方でした。このような機会をくださった台北栄民総医院の先生方に感謝しつつ、帰国の機内から、手術を受けた患者さんの早期回復を祈っています。

This time, I had the opportunity to guide an aortic surgery at Taipei Veterans General Hospital. Despite my role as a guide, the surgeon, Dr. Chen, was exceptionally skilled and performed most of the surgery himself. After studying at Kawasaki Aortic Center, he has actively adopted our techniques, significantly improving his surgical outcomes. Utilizing Kawasaki’s methods, the surgery felt almost seamless. I am confident that it won’t be long before Dr. Chen becomes a savior for patients with aortic diseases in Taiwan. Furthermore, his superior, Dr. Zhang, was truly remarkable. I am grateful to the doctors at Taipei Veterans General Hospital for providing such an opportunity. As I head back to Japan on a flight, I pray for the swift recovery of the patient we operated on.

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開胸手術の技術を磨く

弓部大動脈瘤の治療に関する発表を無事に終えました。
すべての外科医がステントグラフトに関する発表を行い、確かに進化し、死亡率や合併症のリスクを減少させていることは認めつつも、私(大島)は開胸手術の技術を磨くことで、患者さんにとってさらに安全な治療法を提供できるのではないかと考えています。

I successfully concluded my presentation on treating aortic arch aneurysms. While all surgeons presented on stent-grafts for the aortic arch, which indeed have evolved, reducing mortality and complication rates, I argue that honing the skills for open surgery might offer even safer treatment options for our patients.

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過去12年間の大動脈弓部置換術1,919症例の結果

金沢での胸部外科カンファレンスで、KACにおける過去12年間の大動脈弓置換術1,919症例の結果を発表します。総死亡率は2.2%で、待機手術の場合は1.1%でした。最近では様々なハイブリッド手法が開発・導入されていますが、再手術も増加しています。私たちは従来の手術戦略で一貫してこれらの成果を達成しており、その方法は今なお改善を続けています。本日は「ハイブリッド法に注目する前に、まずは手術技術の洗練を優先すべきではないか?」という視点で議論します。

Today at the Thoracic Surgery Conference in Kanazawa, we will present results from 1919 cases of aortic arch replacement over 12 years at KAC. The overall mortality rate was 2.2%, with 1.1% for elective surgeries. While various hybrid techniques have been developed and implemented recently, recovery surgeries are on the rise. We’ve consistently achieved these outcomes with traditional surgical strategies, which continue to improve. Today, I’ll argue that before hybrid methods, shouldn’t we focus on refining surgical techniques?

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