【ご報告】台湾血管外科学会(TSVS)との協力覚書(MOU)を締結いたしました

川崎大動脈センター(KAC)と台湾血管外科学会(TSVS)の間で、協力覚書(MOU)の調印式が執り行われました。本式典は、両組織の長年にわたる交流を祝すとともに、学会規模での新たなパートナーシップを確立するものです。

プレゼンテーションでは、KACの基本理念や豊富な手術実績、世界トップレベルの治療成績、そして国際協力への取り組みが紹介されました。両組織のリーダーは互いに敬意を表し、教育的交流や共同研究、長期的な協力体制を通じて大動脈外科を発展させていくという共通のビジョンを掲げました。

Ceremony marks the formal signing of a Memorandum of Understanding (MOU) between the Kawasaki Aortic Center (KAC) and the Taiwan Society for Vascular Surgery (TSVS). The event celebrated a long-standing relationship and established a new, society-wide partnership. Presentations highlighted KAC’s guiding philosophy, extensive surgical history, world-class outcomes, and commitment to international collaboration. Leaders from both organizations expressed mutual respect and outlined a shared vision for advancing aortic surgery through educational exchange, joint research, and long-term cooperation.

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海外交流「川崎の方法に変えてから救命率が上がった」

「川崎の方法に変えてから救命率が上がった」 この一言が、日々の手術の意味を再確認させてくれる。
タイ、イギリス、台湾…各国との交流は、我々の臨床判断を常にアップデートしてくれる貴重な機会。

彼らは年間10-20例の感染性大動脈瘤を執刀。
developing countriesならではの症例数。
我々が提案した治療戦略を導入後、成績が向上したとの報告。
国際交流の意義を実感―---。

我々が推奨する感染性大動脈瘤に対する二期的TEVAR戦略
第1期:TEVARで血管を緊急安定化  

↓(約1週間)

第2期:ステントグラフト除去+開胸手術 「ブリッジング療法」として確立。
一期的TEVARのみでは死亡率が高く、感染制御が困難。

タイの先生がこの戦略を採用した結果、治療成績が向上。

「川崎の方法に変えてから救命率が上がった」

年間600件の実績から生まれた知見が、海外でも患者さんを救っている。これこそ国際交流の価値。

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胸部大動脈手術過去最高件数(2026年1月)

2026年1月、川崎大動脈センターの胸部大動脈手術は月間69件と過去最高を記録しました。

特筆すべきは、高度な技術を要する「左開胸手術」が24件にのぼること。
これほどの症例数を1ヶ月で行う施設は、全国的にも類を見ません。
ステント(TEVAR)留置後の動脈瘤再拡大など、難易度の極めて高い症例にも応え続ける。
圧倒的な経験値があるからこそ、救える命があります。
今後も「最後の砦」として、チーム一丸となって日本の大動脈治療を牽引していきます。

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【番外編】尾﨑医師の現地レポート㉙inタイ(帰国後初のタイ講演)

週末、バンコクにて The 40th Annual Meeting of STST(The Society of Thoracic Surgeons of Thailand) に参加してきました。
多くの再会があり、まだ帰国して2ヶ月たっていないものの、非常に感慨深い機会となりました。

私のタイ滞在中には直接会うことができなかったというドクターからも多く声をかけていただき、改めて KAC の影響力を実感しました。
また、endovascularを専門とするドクターからも相談を受けるようになり、タイにおける大動脈治療に対する意識やマインドが変化してきているのではないかと感じました。

年次報告では、私の滞在について、ならびに11月に行われた MOUの再締結に関する報告もありました。
KAC と STST の長年にわたる友情と協力関係が、今後さらに強固なものになっていくことを確信しています。両国、アジア、世界のためにも「高いクオリティでこのセンターを維持・継続すること」が我々の使命です。


川崎大動脈センターでは、2024年12月から新たな試みとして当センター医師を年単位でタイに派遣しKAS: Kawasaki Aortic Surgeryを普及するprojectを開始しています。
詳しくは国際研修活動ページをご覧ください。

尾﨑医師のタイレポート全28回はこちらからご覧いただけます

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大動脈センター初診外来。

どの患者さんもご家族と悲壮な顔で来院してきます。
夫を心配して泣く奥さん、
「おばあちゃん長生きして」と言うお孫さん、
唯一の肉親である弟を案ずるお兄さんなど。

愛されている患者さんがあまりに多くて、診断を伝える側としても、その背景にある「家族との絆」が感じ取れる。 今日もそんな外来でした。

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川崎大動脈センター 2025年総括

🔹 待機・準緊急の開胸大動脈手術:423例
🔹 緊急手術:192例
🔹 待機手術死亡率:0.5%(2例)

私たちのチームは、発生したすべての合併症を徹底的に検証しています。
来年の目標はただ一つ──死亡率0%。


ハイライト

  • 88歳のTAAA(胸腹部大動脈瘤)修復術92歳のAAA(腹部大動脈瘤)修復術が成功し、両名とも退院しました
  • FET/TEVAR後の大動脈‐食道瘻が増加し、気管分岐部周辺に集中していることを確認。
  • 重要な教訓:徹底した(ラディカルな)デブリードマンは妥協不可。高安動脈炎の複雑症例により、周術期管理戦略が大きく試されました。
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尾﨑医師の現地レポート㉘inタイ(現地レポート最終回)

昨日、KACとSiriraj HospitalのMOU締結、KACとSTST(The Society of Thoracic Surgeons of Thailand)とのMOU更新、さらに私の一年間の滞在に対するセレモニーが行われました。

山本先生にはKACの始まりの歴史をご紹介いただき、大島先生からはKACの概要および成績についてご講演いただきました。
また、LIVEケースではre-3R(腎動脈上での吻合)を施行し、普段は見学に来られないドクターにもKACの手術を共有する機会となりました。
すべてのセレモニーが滞りなく終了し、今後の協力関係をこれまで以上に強固なものにできたと感じています。
お互いに良い点を学び合いながら、アジア、そして世界の大動脈治療に貢献できると強く実感した時間でした。
我々の一つ一つの取り組みが、確かに歴史をつくっているのだと思います。


不安もありましたが、タイのドクターやスタッフとの協力、そして何よりKACからのサポートに支えられ、勇気づけられ、この一年を走り抜くことができました。本当にありがとうございました。


川崎大動脈センターでは、2024年12月から新たな試みとして当センター医師を年単位でタイに派遣しKAS: Kawasaki Aortic Surgeryを普及するprojectを開始しています。
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尾﨑医師の現地レポート㉗inタイ

Saraburi Hospital にて 1R を行いました。
同院への訪問は、前回の TAR に続き今回が 2 回目となります。
挿管チューブがシングルルーメンであったことや、下肢の A ラインが左側に入っていたことなど、準備段階で修正すべき点があり、対応を要しましたが、手術は無事に終了し、対麻痺も認めませんでした。


「わからないことを曖昧にしないこと」

「万全の準備で手術に臨むこと」

は、患者さんに対する当然の礼儀であると、スタッフ全員に指導しました。
知識、技術の準備には、その心構えがスタートラインになると思います。
日々の業務にどれだけ追われていても、絶対におろそかにしてはならないことがあります。今回の経験は、私自身にとっても改めて自戒する良い機会となりました。

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尾﨑医師の現地レポート㉖inタイ

King Chulalongkorn Memorial Hospital にて left thoracotomy TAR を行いました。
これまで同院では4件の手術を行ってきましたが、招いてくれた Dr. Khiew は毎回テーマを持って手術に臨んでくれます。

「この術野展開を学びたい」

「どこが止血の pitfall なのか知りたい」

といったように、手術の中でどこに焦点を置くかを明確にしながら取り組んでいました。
手術ではもちろん全てのステップが重要ですが、向上したいという姿勢は、必ず行動に表れるものです。
その前向きな姿勢に大いに刺激を受け、私自身も非常にポジティブなマインドになる良いきっかけをもらいました。

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尾﨑医師の現地レポート㉕inタイ

昨日はSiriraj Hospitalにて 2R/DHCA+ステントグラフト抜去 を施行しましたが、ポンプアップ後の酸素化が不良で、明らかに右肺の無気肺が原因でした。
低酸素は対麻痺につながるため、麻酔科の先生にリクルートメントを依頼しましたが、うまく行えないとのことでした。
そこで、止血をレジデントに任せ、麻酔科医の許可を得て自ら麻酔器側に回り、リクルートメントおよび呼吸管理を行った結果、酸素化は改善し、術後に対麻痺も認めませんでした。
常にすべてがうまくいくとは限りませんが、目的に対して諦めることなく方法を探り、実行することで結果は応えてくれる―そのことを改めて実感した症例でした。

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